カワサキが初めて販売したミニバイク!!

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〈小さなダイナマイト〉

ハンドルやシートを折りたたんでクルマのトランクに入れ、行った先で「アシ」として使う。これは67年、ホンダのモンキー(Z50M)が打ち立てた新しいバイクの概念で、現在で言う「レジャーバイク」というジャンルの始まりである。
モンキーはキャンプなどのレジャー用として人気をはくし、海外にも積極的に輸出された。
そしてモンキー以降、ダックスやバンバンなどホビー色の強いバイクが次々と登場し、時代はレジャーバイクブームの様相を呈する。
そんなムーブメントの中でカワサキがリリースしたのが、今回紹介するKV75だ。
ベースとなったのは輸出用の75MT1という車両で、小さいながらもキビキビと走ることから「ダイナマイト」の愛称を得たモデルである。車両の特徴はやはり、折りたたみ式ハンドル・脱着式のステップとシート・タンクキャップのON/OFFコックなどを装備し、収納性やクルマへの積載性が考慮されていたこと。
またミッションは自動遠心クラッチの3段変速で、運転のイージーさも追求されていた。
しかし、そのイージーさの反面で独特の操作方法を持つバイクでもあった。
なんと自動遠心クラッチでありながら左グリップにはレバーを装備。
これが何のためのレバーかといえば、リヤブレーキなのである。
つまりブレーキだけはスクーターのような操作になっているため、「ギアチェンジ時に思わずリヤブレーキを握ってしまう」という笑い話もKV75にまつわる伝説の一つである。
これ以降のカワサキのラインナップで言えばKSやKSRが一番近い存在のようにも見えるが、さすがにクルマへの積載性までは考慮されていないはず。
国内向けモデルの中で、純粋に「レジャーバイク」と呼べるのはKV75だけなのかもしれない。カワサキの歴史の中では、まさに貴重なモデルと言える。

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