2万人に1人 アルビノの女性 りり香さん22歳 障害に負けずに自分自身を発信 強く生きるその姿

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2024年6月、札幌で行われたファッションショー。
袴を着てランウェイを歩く1人の女性。
十勝地方出身のりり香さん、22歳。
白くて長い髪、実はこの髪色は染めたのでは無く「生まれつき」です。

りり香さんQきょうの日差しは?「まぶしさを感じるというか長時間いたらしんどいかな。」

りり香さんはおよそ2万人に1人と言われる先天性の難病「眼皮膚白皮症」。

「アルビノ」とも呼ばれ、メラニン色素をほとんど作ることができないため、紫外線に弱く皮膚がんのリスクも抱えています。原因は遺伝子の突然変異です。りり香さんの双子の妹もアルビノ。

自分自身がアルビノだと認識したのは小学校に入ったころでした。

りり香さん「1番多かったのは白くて気持ち悪いとかお化けみたいとかやっぱり子供なので言われることが多かった。」「アルバイトとかいろんな面接に行ったときに『ちょっと髪色がね』みたいな感じで。人柄はすごくいいけど、見た目どうしても、うちでは雇えないって言われたりとか、そういう経験が多かったです。」

3年前に結婚して神戸に移り住んだりり香さん。
ファッションショーに参加するため故郷の北海道に帰ってきました。

りり香さんQ私の顔見えてる?「今は光が逆行で見えてないが、近かったらぼんやりと」

あまり知られていませんが、アルビノの人のほとんどが視覚障害を抱えています。
アルビノの人は網膜の形成が不十分なため、眼鏡などでは視力の矯正がほとんどできません。

さらにまぶしさを感じやすいという特徴もあります。
加えて視界も狭くりり香さんの見ている世界はこのようなイメージです。
さらに2年前ほど前から彼女の眼にはある「異変」が。

りり香さん「緑内障の症状として暗いところが見えにくいっていうのが出て来たかな。」
医師からはりり香さんは緑内障でいずれ失明するだろうと言われています。

りり香さんのYouTubeより
「メイクでまつ毛と眉毛は色を入れるんですけどスッピンになったときは全部真っ白になります。」「アルビノは白いだけじゃない」。

りり香さんはアルビノのことを知ってもらおうとYouTubeやSNSで発信しています。
眼が見えなくなるその日まで、続けたいと思っています。

りり香さん「人によっては合併症であざができやすかったり血が止まらなかったりっていう症状を持つアルビノもいて、いろんな特性・症状を持つ病気なんだよっていうことを多くの人に知ってもらえたらいいかなと思ってます。」

札幌に住む姉のもも香さんは、りり香さんの1番の理解者です。

姉もも香さん「すごいおしとやかに見えて大雑把だし、毒吐いたりするような子ですね(笑)。」

もも香さんも幼いころはアルビノの妹に対する「差別」を感じていました。

姉もも香さん「街を歩いていてもいろんな人の視線を感じることは多くて。本人は目が悪いので気づいてないんですけど隣にいる私はいろんな人の視線を感じていた。ジロジロ見てくる人たちに関しては『いいでしょ、私の妹、白くてきれいでしょ』っていう気持ちでいました。自分の武器をちゃんと使って発信しているのはすごいなって。アルビノの妹いるって話していないけど『最近アルビノの子の動画見てるんだよね』って言ってくれる人がいて名前聞いたら「りり香」って私の妹だわみたいな。」

この日、高校時代の友人の心都さんと向かったのは札幌市内のスタジオ。

りり香さん「どっち周りとかってある?」
高校時代の友人心都さん「私が右側」
りり香さん「私が左側いったらいい?」

ファッションショーに向けて動きの確認です。
参加するショーのテーマは「心のバリアフリー」。

障害者モデルのりり香さんと健常者モデルの心都さんの2人がペアとなってランウェイに登場します。

りり香さん「障害=かわいそうっていうだけの概念というかそういう風に思っている人が多いなって感じていて。障害があってもなくてもみんなと同じように楽しく生活できるんだよって表現できたらなって思っています。」

ショーへの出演を決めたのも「アルビノ」のことをもっと発信したいという気持ちからです。
ショー当日。

りり香さんQきょうはどんな髪型に?「おろしたウェーブでお願いしてます」

ヘアセットと着替えをすませて次はメイク。
りり香さんは、他の出演者とは違う場所でメイクします。

りり香さん「あっちだと日光が強すぎて見えないので暗めのところで確認したいなと思いました。」
拡大鏡でメイクの出来をしっかりチェック。
準備はばっちりです。

ショーのアナウンス「障害当事者モデルはりり香さんです。アルビノの私、視覚障害者の私だけではなく1人の人間として心から楽しめる1日にしたいと思っています。」

りり香さん「スポットライトが強かったのでお客さんや通路は見えないけどとにかく真っ直ぐ歩こうって気持ちでした。」「すごい楽しかった。短い時間だったけど自分らしさを発揮できたのかなって思う。こういう機会でしか味わえない景色だった。」

拍手に包まれて、無事りり香さんのランウェイは終了しました。

りり香さん「アルビノは自分の体そのものなので、マイナスに感じることもあるけどプラスの経験ができるきかっけでもあるので、よくも悪くも個性なのかなと思います。」

りり香さんには、札幌に来たら訪れたい場所がありました。
夜景の名所として知られる藻岩山です。
緑内障と言われてから各地の夜景を見て回っています。
弱視のりり香さんにとって夜景は特別です。
りり香さん「あの水色。」Qあ、水色見える?「ピンクも見える。」Q見えてるね?「結構見えてると思う。」

いつ失明するかわからない。りり香さんは「アルビノ」という病気に向き合いながら一瞬一瞬を目に焼き付けます。





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