Learn Japanese Through Story (N5+):【落語】幽霊の辻 / The Ghost Crossing

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二代目桂枝雀のために小佐田定雄氏が書いた新作落語『幽霊の辻』を、#やさしい日本語 #SimpleJapanese でリライトしました。

枝雀師匠の名人芸はオチを知っていても笑えるし楽しめるので、ぜひ。
【参考】 桂枝雀(二代目) - 幽霊の辻
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【音楽・効果音】
DOVA-SYNDROME様 https://dova-s.jp/
音人様 https://on-jin.com/
【イラスト】
イラストAC様 https://www.ac-illust.com/

スクリプトーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
男が一人、峠を歩いていました。小さい茶屋がありました。男は茶屋の中に声を掛けました。
「あのう、すみません。堀越村まで、あとどのくらいですか」
茶屋には、お婆さんが一人いました。
「お客さん。もうすぐ日が暮れるから店を閉めたいんですが」
「いえいえ、私は客じゃありません。今日中に堀越村に手紙を届けに行かなければならないんですが、まだ遠いですか」
「堀越村ですか。日没までは無理でしょうけど、今日中には着くでしょう」
お婆さんは、峠の向こうを指さしました。
「この道をまっすぐ行くと、『水子池』があります。その水子池を――」
「えっ、ちょっと待ってください。水子…」
「ええ。昔、流産した赤ちゃんや、生まれてすぐ死んだ赤ちゃんを、あの池に沈めていたんです。貧しくて葬式代がありませんでしたからね。こっそり沈めていましたけど、みんな知ってました。だから『水子池』と呼ぶんですよ。あの池の近くで、おぎゃあおぎゃあという泣き声を聞いた人もたくさんいます」
「…。あのう、お婆さん」
「はい?」
「どうして、そんな気持ち悪い話を今私にするんですか」
「一本道ですからね、あの池の横を通らなければならないでしょ。だから、お知らせしておきました」
「そんなお知らせ要りませんよ。怖がらせないでください」
「それからね、水子池からしばらく歩くと『首無し地蔵さん』があります」
「首無し…」
「ええ。昔この近くに追いはぎが出てね、庄屋の娘さんが誘拐されて、次の朝、ひどい姿で見つかりました。それで庄屋さんは怒って、村中総出で山を探して、怪しい男を見つけたんです。
旅の浪人さんでね、自分は何も知らないと言った。でも村の男たちはみんな頭に血が上っていたから、その人が言うことをぜんぜん信じなかった。すぐに首を斬ってしまったんです。
それから二三日後で、本当の追いはぎが捕まりました。浪人さんは追いはぎじゃなかったんです。それから村では不思議な病気がはやりました。みんな浪人さんの祟りだと思いました。それで、浪人さんが亡くなった場所にお地蔵さんを建てました。
でも、そのお地蔵さん、時々首が外れて、笑いながらフラフラ飛んで、それを見た人の首にカプッと噛みつくんですよ。それで、みんな『首無し地蔵さん』と呼んでいます。堀越村へ行くときは、必ず首無し地蔵さんの前を通りますから、すぐわかりますよ」
「そんなお地蔵さん、気が付きたくないんですけど…。そこを過ぎたら、堀越村はもうすぐですか」
「えーと、その先に川があって、『父追い橋』を渡らなければなりませんね」
「父追い…、お父さんを追いかけるという意味ですよね。それにも、何か昔話があるんでしょう?」
「はい、あります」
「でしょうね! 次は何ですか?」
「昔、その川は流れが速くて、何度橋を造ってもすぐ流されました。巫女が占って、川の神様は生贄が欲しいんだと言ってね。それで村人たちは、村で一番弱い男を生贄に選びました。でもその男は怖くなって、逃げました。しかたがないから、村人たちは男の奥さんと、3歳の子どもを縛って、川に沈めました。おかげで川は穏やかになって、橋もできました。でも、いまでも30歳くらいの男が橋を渡るとき、『あなた、あなた』という女の声と、『お父さん、冷たいよ。つらいよ』という子どもの声が聞こえると言います。
そうそう、ちょうど、あなたくらいの歳の男の人が渡るときですよ」
「…。その橋を渡ったら、堀越村に着くんですか?」
「えーと、その橋の向こうに、『首吊りの松』があります」
「首吊り? まだあるんですか? 今度は何ですか」
「昔、若くてきれいな女が、恋人に騙されて売られました。数年後に村に帰ることはできたけど、そんな事情ですから親にも会うことができなかった。それで、村の外の松の枝に縄をかけて、首を…ね。今でも時々、その松の近くに、若い女の幽霊がでるんです。そこが辻だから、みんな『幽霊の辻』と呼んでいます」
「…。その辻を越えたら、堀越村ですね?」
「はい、そうです。もうすぐ日が暮れますから、提灯を貸してあげますよ。帰りに返してください。はい、気を付けてね」

男は茶屋のお婆さんから提灯を借りて、峠を下りました。しばらく歩くと、池がありました。
「これが水子池か。おぎゃあおぎゃあ、という赤ちゃんの泣き声が聞こえると言っていたな。
声だけなら痛くないからいいけど、…いや、よくない。聞きたくないよ!」
男は思わず走り出しました。
「何もなかった。よかった。あの話は、きっと嘘だ。親切に提灯を貸してくれたけど、ひどいババアだ」
あたりはどんどん暗くなりました。
またしばらく行くと、お地蔵さんがありました。
「これが首無し地蔵か。この首が外れて、笑いながらフラフラ飛んで、カプッと…」
男はまた走りました。
「よし、大丈夫だ。首は飛ばなかった。何も起こらなかった。くそっ、あのババア、怖がらせやがって! 怖いと思うから怖いんだ。大丈夫、怖くない、怖くない…と思っても怖いよ」
またしばらく行くと、川の音が聞こえました。橋がありました。
「父追い橋だ。嫌だなぁ、ここの話が一番嫌だ。自分の代わりに生贄になった、奥さんと子どもの声が…。あなた、あなた…。お父さん、冷たいよ。つらいよ…」
男はまた走りました。
「何もない。大丈夫だ、大丈夫。やっぱり嘘だったんだ。あのババアが変な話をするから! くそっ、騙しやがって!」
男は振り返って、叫びました。「嘘つきババア!! バカ、バカ!」
そのとき、松の木の後ろから急に誰かが現れました。
「うわっ」
提灯の明かりでよく見ると、若い女でした。
「なんだよ、びっくりした。おどかさないでくれ。幽霊かと思ったよ。…そうか、もう村の近くだから、人に会っても不思議じゃないんだな」
それを聞いた若い女は、怒って言いました。
「私が幽霊かと思った? 失礼なオジさんね! どうして私が幽霊じゃないと思うの?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおわり

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