処方箋なしで薬が買える「零売」は悪なのか 国は規制強化へ 医療費削減との“矛盾”指摘の声も【R調査班】

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「零売」という言葉をご存知でしょうか。処方箋がなくても一部の医薬品を必要な量だけ販売することです。法的にも認められた制度です。零売には、医薬品を受け取るまでの時間を短縮でき、医療費の削減につながるというメリットがある一方、国は、一部の薬局で不適切な販売をしているケースもあるなどとして規制を強化する方針です。「零売」をめぐり、何が起きているのでしょうか。


◆一部の医薬品が購入できる零売薬局
RKB三浦良介記者
「医師の処方箋がなくても一部の医薬品が購入できる。そんな薬局が、福岡市の博多駅前にオープンしました」

博多駅前にある「まゆみ薬局」 1月22日「零売薬局」としてリニューアルオープンしました。

まゆみ薬局 山下吉彦薬剤師
「冷え性のお薬でしたら、漢方薬でございます」

零売薬局では、処方箋が必要でない一部の医療用医薬品を薬剤師の指導のもと、必要な量だけ販売しています。


◆処方箋なしで買える薬は約7000品目
記者
「具体的にはどういった薬があるのですか?」

まゆみ薬局 代表取締役 宮坂摩由美さん
「胃薬の『ガスター』、痛み止めの『ロキソニン』、鼻水止めの漢方、咳止めの漢方、アレルギー薬『アレグラ』など取り扱っています。」

医薬品医療機器等法では、2万品目ほどある医療用医薬品のうち、約7000品目の薬は処方箋がなくても販売することが認められています。現在、まゆみ薬局では120品目の薬を取り扱っています。

まゆみ薬局 代表取締役 宮坂摩由美さん
「クリニックで勤務をしていた時にちょうどコロナ禍になりまして、クリニックに重症の方も軽症の方も押し寄せるような状況がありました。重症の方はきちんと病院を受診する必要があると思うんですけれども、お薬だけどうしても必要な方には『零売薬局』という制度を使ってもらうべきではないかと思いました」


◆零売は法的に認められた制度
零売は、明治時代から行われていて、2005年に薬事法が改正された後も「やむを得ない場合に限る」など条件付きで認められています。そのほかにも薬剤師が必ず対面で服薬指導を行うこと、購入履歴を2年間保存すること、必要に応じて医師の診断を受けるよう勧めることなどが求められています。


◆利用者からは「助かる」の声
まゆみ薬局では年会費が500円かかりますが、オープンから1週間で約400人が会員登録しています。

利用客
「病院って診察して待つじゃないですか。バタバタ忙しいので、来てすぐもらえるのは助かっています」

利用客
「薬剤師から説明を受けられる、受けた上で自分が納得して買える。安心という面で差はないです」


◆保険適用外だが実質的に安く買える
零売には、保険が適用されないため薬代は全額自己負担になりますが、医療機関に行くよりも実質的に安くなり、購入までの時間も短縮できるといいます。まゆみ薬局によりますと、例えば、ロキソニンを30錠購入する場合、零売薬局では1錠50円で1500円。医療機関では、1錠10.1円と安くなりますが、初診料や調剤料など合わせると3割負担の保険診療で1776円かかります。


◆利用者からのニーズ受け零売薬局が増加
福岡県を中心に全国43店舗を展開する「きらり薬局」も2019年から零売を始めました。新型コロナの感染拡大で、通院による感染リスクを避けたいという患者のニーズから零売を行う薬局は増えています。


◆医師会などから「規制強化」求める声
一方、一部の零売薬局が「処方箋なしで薬が買える」「病院に行かなくても薬が買える」などメリットのみを強調する広告を出しているのは不適切などとして、医師会などから零売についての規制を強化すべきという意見が出ています。

福岡県医師会 岩田定幸常任理事
「今までグレーゾーンで許されて来た訳ですよね。薬剤は元々副作用等がございますので、症状をきちんと診察で診て、処方を医師が行うのが当然のことかなと思います」

福岡県医師会の岩田定幸常任理事は、零売について「グレーゾーン」だという認識を示しました。


◆零売のメリットを指摘する専門家も
しかし、零売については、現在、規制するための法的根拠がありません。厚生労働省は、「通知だけで適正な販売を指導するには限界がある」として、零売を規制するための法改正に向けた検討を進めています。

一方、医薬品の販売制度に関する検討会で参考人を務める東京薬科大学薬学部の益山光一教授は、零売にも患者にとってメリットがある、と話し、こう提言します。

東京薬科大学薬学部 益山光一教授
「零売があったほうがいいか、ないほうがいいかという、ゼロか百かの議論ではなくて。年に1回か半年に1回とかの頻度で病院を受診するなど、「経過を診てもらいながらどのように病院と薬局で情報共有するのか等、医療関係者のニーズも踏まえながら、零売薬局の良い面をしっかりと進めていければと思います」


◆国は規制強化へ 法改正めざす
グレーゾーンとして医師会から批判の声があがる一方で、利用者からの一定のニーズがある零売。厚生労働省は、今後、厚生科学審議会での議論を経て規制強化のための法改正を目指しています。こうした動きを、販売する薬局はどう受け止めているの...

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