札幌の車いすの女性が四国一周に挑戦　1000キロの旅に密着！ゴール目前で、体が悲鳴をあげた…今日ドキッ！『もんすけ調査隊』2022年6月10日(金)放送

中・環さん(49)
「やりたいことは、やらなきゃ損」

車いすで四国一周に挑戦したのは、
札幌の中・環（なか・たまき）さん、４９歳。
２人の子を持つシングルマザーだ。

環さんは１３年前、交通事故で頚椎を損傷。
今も左半身に麻痺が残っているという。

長男　中・港（なか・みなと）さん(22)
「いってらっしゃーい」

２２日間をかけて、
およそ１０００キロ＝四国を一周する計画だ。
旅の始まりは徳島県南部の海陽町。
しかし初日は大雨に見舞われ、
翌日、坂本龍馬のふるさと＝高知県に。

中・環さん(49)
「すごい道だな。面白い」

行く手には、通るのもやっとの細道。
歩いて登るのも大変な坂道。
そして想像以上に苦しめられたのが下り坂。

中・環さん(49)
「下りの時にブレーキするじゃないですか、
　それで熱でゴムが溶けちゃった」

車輪を手でつかみ、速度を調整するため、
手袋はあっという間にボロボロ。
環さんの過酷な挑戦には、
ある“想い”があった・・・

中・環さん(49)
「私みたいなおばさんがやったら、
　オレもできるかもって子供たちも思うから、
　生活用車いすにこだわって走って、
　子供たちがやってみたいと思ってくれたらうれしい」

この日やってきたのは高知市。
当初、浦戸大橋を通る予定だったが、
交通量が多く危険なため、渡船を選んだ。

中・環さん(49)
「乗り物っていいですね。もう着いちゃう。
　ありがとうございました」

スタートから８日、環さんは、愛媛県に入った。

中・環さん(49)
「あれが松山城」

体が不自由になり、
しばらく自宅に引きこもっていたという環さん。
おととし他界した父の死をきっかけに前に進み始めた。

中・環さん(49)
「父親も指がない障害者。
　お金がなかったんだけど、自分が好きな山に工夫して登って、
　手袋が買えなかったら自分で縫って、
　ないならないなりにでも、本気でやりたいことはできるんだって」

車で並走しながら環さんを支えるのは、娘の岬（みさき）さん。
仕事の合間を縫って、利尻島から応援に駆けつけた。

長女 中・岬（なか・みさき）さん(26)
「車イスだから、すごいというか、
　やりたいことをやれていることがすごい」

洗濯や買い物のほか、環さんの「相棒」で
元介助犬「ファーガス」の世話もこなしている。
環さんにとっては、今も心強い存在。

中・環さん(49)
「私は走ることが嫌い。嫌いなことほど、
　やればやるほど『やったー！』って思うから、
　それだけが欲しい」

スタートから１７日、香川県へ。
旅先での出会いはかけがえのない宝物になっている。

中・環さん(49)
「４７都道府県を全部、車いすをこいでまわっている」
宮武うどん　谷本邦明さん
「挑戦するというのは、すごいなと思う」
中・環さん(49)
「やりたいことはやらなきゃ損。
　私みたいにいつ交通事故とか
　病気とかで障害になるかもしれない。
　何かやりたいと思ったらやってみてほしいなと思う。」

少ない予算のため、基本は野宿。

中・環さん(49)
「宿泊？今、テント張ってるっしょ。テントだよ」

今月1日、再び渦潮のマチ、徳島県に。
予定では、ゴールまであと２日・・・しかし！

中・環さん(49)
「できればきょうゴールしたい」

なんと！予定より１日早いゴールを目指すという。

中・環さん(49)
「痛いの。ずっと痛いの。十何日間ずっと痛いの。
左側が不自由な方だから、右側だけで漕ぐでしょ」

２０日に及ぶ過酷な挑戦、環さんの体は悲鳴をあげていた。

中・環さん(49)
「これ痛み止め」
調査員
「大丈夫ですか？」
中・環さん(49)
「ここまで来て、できませんって言えない」
長女　中岬さん(26)
「はい、いってらっしゃい。無理せずね。気をつけて」

痛みに耐えながらも懸命に進む環さん。
灼熱の日差しが容赦なく降り注ぐ。

調査員
「どうしました？」
中・環さん(49)
「暑い。集中していかないとヤバいわ。危ない。クラクラしてきた」

さらに、山道のアップダウンが続く。

長女　中岬さん(26)
「おかえり」
中・環さん(49)
「暑さできつくて、痺れが
　思ったより早く出てきちゃって…まいった」
長女　中岬さん（26）
「本当に気をつけて。」

４０分の休憩を取り再び走り出した環さん・・・
次の休憩ポイントで・・・

中・環さん(49)
「あとチェックポイントは２個で。
　お風呂入れない覚悟でゴールに行きますよ、６０キロ」
調査員
「体は大丈夫？」
中・環さん(49)
「もうごまかしですね。
　何ともないって言い続けてます。
　痛くない痛くない」

すっかり日が落ちた山道。
夜は見えにくくなるため、
歩道が切れる場所に岬さんが先まわり。

長女　中岬さん(26)
「左車線は歩道がなくなるから右に」
車いすで四国一周に挑戦　中環さん
「ごめんね。遅くなっちゃって」
調査員
「がんばです！あと少しです！」

そして・・・

調査員
「今、環さんの姿が見えました！
　ゴールの宍喰温泉に到着です！
　環さん、まもなくゴールです！
　ゴール！おめでとうございます！」

今月２日、午後８時５３分。
ついに車いすで四国一周を達成した。
スマホの走行距離は、直線で札幌から京都までとほぼ同じ、
１０００キロを越えていた。

中・環さん(49)
「何回も正直止めようと思ったけど、
　沿道で応援してくれる人とか、
　札幌で応援してくれてる人とか、
　そういう人が頭にいて止められなくなって、
　おかげでゴールできました。よかったー」


調査依頼はこちら↓
http://lin.ee/pYvxEEm
https://www.hbc.co.jp/news/chousatai/

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