自民転身→当選の今井瑠々氏(27) “裏切り”批判の嵐で…「もうやめよ」と言った父親に伝えた“揺るがない決意”【統一地方選挙】岐阜県議選

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野党・立憲民主から与党・自民への鞍替えで初当選を果たした今回の選挙。1月の出馬会見で、掟破りとも言える転身について政治への強い気持ちを訴えていました。
政治への初挑戦はおととしの4月。

25歳の誕生日、立憲民主党の公認候補として衆院選への出馬会見を開いた今井さん。全国最年少候補として注目されました。

結果は自民の重鎮・古屋圭司議員に一歩及ばず落選。しかし、得票率で見ると8パーセント差と予想外の善戦で、かなりの支持を受けていたのです。当然ながら立憲民主党は次に期待していました。

ところが、ことし1月。
「私今井瑠々は、1月7日に立憲民主党を離党し、この春の県議選に自民党推薦で出馬します」

自民党への移籍と県議選への出馬を突如表明したのです。

「チームで政治を動かす中で自民党が大きな基礎をなしていると実感」

政策実現のため必要な決断だったと説明した今井さん。それに対し…。
「裏切り者」「騙された」と、待ち受けていたのは、厳しい批判の嵐。

父の隆治さんは「出馬をやめよう」と話したといいます。
(父・隆治さん)
「もう大変でした。批判の嵐で、家族全員が悩み苦しんだ。その中で僕が正直、瑠々に『もうやめよ』と。これだけの批判を受けて苦しい思いをして、裏切り者とまで言われて選挙をやる価値があるのかと話した。そのとき彼女が言ったのは『私は立憲民主を裏切ってやめたのではない。仕事がしたくて移籍した。今ここでやめたら信じてくれている多治見市民を裏切ると』。それを聞くと応援するしかないと思った…」
 
どれだけ批判を浴びても今井さんの決意は揺らぎませんでした。

そして迎えた選挙戦。

(今井瑠々氏)
「どんなに批判されても立ち上がって、みなさんと連携して町を変えていきたい。政党が変わっても私は何も変わっていません」

初日は、「政治家としての母」を自認する野田聖子さんが横に立ちました。

(野田聖子衆院議員)「30年後の今井瑠々は私です!」

しかしその自民も複雑です。

同じ選挙区に、元通信社記者の友江惇(ともえ・あつし)さんを公認候補に立てていたからです。引退した現職は後継指名、各業界団体や公明党などの支援も受けて盤石の組織戦を展開していました。

そして古巣の立憲民主も…。
無所属の判治康信さん47歳。おととしの衆院選で、今井さんを支えたスタッフの1人で、立憲民主・国民民主に加え、連合岐阜と野党陣営の全面支援を受けます。

古巣からは裏切り者として追撃され、新たな転身先でも強敵が待ち受ける構図。

組織のない今井さんは、家族や友人らが支える手弁当の選挙戦。

「本当に至らないところが多いと思います。だから前回落選したと思います。それでも歯を食いしばって進んできました。あと少しなんです」

市内を細かく回り子育て支援の充実などを訴え続けました。

選挙期間中の今月4日、今井さんは27歳に。

「27年間いろいろなことがありました。いつも一番の味方は父と母、産んでくれてありがとうございます」

家族一丸となった選挙戦。両親に感謝の思いを伝えました。

(母・佳奈さん)
「本人が選んだ道なので、見守るしかないかなという気持ちです」

(最後のお願い)
「たくさん演説をしてきた。その中で『お前は多治見の恥知らず』と言われました。ひどいハンドサインもされどれだけ批判をされても、みなさんから託された思いを政治に届けたい」

批判は覚悟の上、そう言い聞かせてきましたが、最終日には思いがあふれ、涙が止まりませんでした。
そして、迎えた投開票日。接戦の情勢が伝えられ、事務所は緊張感に包まれます。

午後11時。
見事当選を果たした今井さん。
トップは立憲民主の支援を受けた判治さん。自民公認の友江さんは落選でした。
しかし、全面支援の公認候補が敗れた自民にとっては、もはや敗北に近い形。

組織内にしこりが残る恐れもある中、政治家・今井瑠々が船出です。

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