伊藤研究室 - 究極のシリコンコンピュータを目指して

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伊藤公平研究室(慶大物理情報工学科 )では個々の原子で計算を行う究極のシリコンコンピュータの実現に挑んでいます。

コンピュータの頭脳はシリコンチップと呼ばれるシリコン半導体集積回路で作られています。半導体業界ではシリコンチップをより高速で省電力化するために、高集積化に取り組んできました。このトレンドはムーアの法則として知られています。ところがムーアの法則を進めていくと、2025年にはわずか原子一個に2進数の0か1を格納して計算を行うところまで到達してしまいます。

Q「コンピュータというのは0か1かの計算なので、電流が流れるか流れないかのスイッチだけで計算されています。電流が流れる距離が短くなればなるほど高速に計算でき、省電力化も図ることができます。/現在ではだいたい原子200個くらいのところを電流が流れる・流れないのスイッチをしているんですが、2020年〜2030年になると原子1個の大きさでスイッチオン・オフをするということが予想されています。その原子一個一個で計算できるかいうのが私たちの研究の始まりです。」

シリコンには中性子の数が14個、15個、16個と異なる3種類の同位体Si-28, Si-29, Si-30が存在します。/この中でSi-29だけが磁石で原子核スピンを持ちます。/そこで伊藤研究室では磁石ではないSi-28のシリコンウエハーの上に一個ずつ並べられたSi-29磁石を用いて計算する方法を2002年に提案しました。Si-29磁石が上を向いていれば0、下を向いていれば1とすることで、原子一つ一つでの計算が可能になります。

Q「原子一個一個で計算するというのは、正にナノテクノロジーの最先端です。だから私たちはこれ以上ないナノテクをやろうとしているのです。一つ一つの磁石を読み出すということはものすごく感度の良い測定機を開発しなけばいけません。だからこの研究は装置開発から始めています。そしてこれが一番難しいところなんですが、原子一個一個の世界というのは、通常の私たちを取り巻く世界、ものが落ちたらこうなるといった事とは違って、量子力学といって、アインシュタインなどが作った0でもあるし1でもあるという世界というのが出て来てしまうのです。通常なら0オア1なんですが、0アンド1というのが出て来ます。その量子力学を全て制御しようとしています。最終的には量子力学の新発見もできるのではと思っています。」

量子力学に支配される原子による計算、すなわち伊藤研究室が開発を進めるシリコン原子一つ一つで計算をする装置は、量子コンピュータという全く新しい計算機なのです。

シリコン量子コンピュータの実現のために伊藤研究室では様々な研究に取り組んでいます。まずは原子一つ一つを並べる究極のナノテクノロジーです。これは、磁石をすべて同じ方向に向けるための量子物理研究、計算に相当する原子一つ一つの磁石の向きを自在に操る量子操作技術です。そして計算の終わりに一つ一つの磁石の向きを読みだす究極の測定技術の開発を行っています。

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