秋の味覚"ヒシ"が全滅 外来種カメが原因か? 伝統のたらい「ハンギー」も姿消す【佐賀県】 (22/09/14

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ゆでると栗のような素朴な味わいが楽しめる佐賀県神埼市特産のヒシ。ここ数年、外来種のカメや大雨の影響で、以前の懐かしい光景が見られなくなっています。

【中俣アナウンサー】
「かつてはクリーク一面に自生していたヒシ。現在は、ほぼ全滅しているということです」

ゆでると栗のような素朴な味わいが楽しめる、神埼市特産のヒシ。
この時期、ヒシはクリークで栽培され、ハンギーと呼ばれる「たらい」に乗って収穫する風景が見られました。
しかし、ここ数年は行われていません。

【神埼市農政水産課分室 大石厚志係長】
外来生物の影響じゃないかと。県に持っていけば処分してくれるが、なにせ捕獲する人がいない。困ったことです」

大石さんによると、外来種のミシシッピアカミミガメなどが茎を食いちぎっていることや、近年の大雨災害で種が流されたことが原因ではないかということです。
このため2021年は、クリークと呼ばれる水路で自生するヒシの実の収穫量はゼロになりました。

【神埼市農政水産課分室 大石厚志係長】
「さみしい。昔の水面いっぱいにヒシがある景色に慣れているから」

昔は、おやつ代わりとして親しまれていたこともあり、現在、ヒシの実の皮を使った菓子やお茶も販売されています。
この原料はどこから確保しているのでしょうか?

【神埼市農政水産課分室 大石厚志係長】
「これがヒシの実です。まだ小さいですが4、5センチくらいの大きさになって収穫できる」

ヒシの安定生産を目指す「神埼和菱組合」は10年ほど前に、休耕田を利用して人工的な栽培をはじめました。
2022年は、7軒の農家が25アール程の水田で育てています。

【神埼和菱組合 本村宜行組合長】
「クリークがそういう状態なので、最小限の水田で確保しようと」

市内のクリーク一面にヒシが自生するように、水田栽培に力を入れています。

【神埼市農政水産課分室 大石厚志係長】
「水田でも作っているので、それから種を採ってクリークに蒔けたら」

水田で栽培しているヒシの実は、12月ごろに収穫されます。

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