【正岡子規~子規周辺の人々を短歌とともに~】

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「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の俳句で知られる正岡子規は、俳人であり歌人、また国文学研究家、随筆家としても知られています。
彼は34年という短い生涯の中で革新的な俳句や短歌の運動を行いました。
現在へと続く短詩型文学の方向性を決定づけた人物といえます。
俳人として名高い子規ですが、実は文芸を学び始めたのは和歌・短歌がスタートでした。
今回は正岡子規やその周辺の人々について、短歌とともにご紹介していこうと思います。

正岡子規の歌
・隅田(すみだ)てふ(ちょう) 堤の桜 さけるころ 花の錦を きてかへるらん
・九つの 人九つの 場を占めて ベースボールの はじまらんとす
・久方の アメリカ(あめりか)人(びと)の はじめにし ベースボールは 見れど飽かぬかも
・打ち揚ぐる ボールは高く 雲に入りて 又落ち(おち)来(きた)る 人の手の中に
・くれないの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる
・いちはつの 花咲きいでて 我目には 今年ばかりの 春いかんとす
・瓶にさす 藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に とどかざりけり
・松の葉の 葉毎に結ぶ 白露の 置きてはこぼれ こぼれては置く

夏目漱石の歌
赤き烟 黒き烟の 二柱 真直に立つ 秋の大空
高麗百済 新羅の国を 我行けば 我行く方に 秋の白雲
肌寒く なりまさる夜の 窓の外に 雨をあざむく ぽぷらあの音

秋山真之の歌
・送りにし 君がこころを 身につけて 波しずかなる 守りとやせん
・雪の日に 北の窓あけ シンすれば あまりの寒さに ちんこちぢまる

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