Kaulana Kawaihae ⭐︎ 夏きよみ

2024年5月28日にお亡くなりになった夏きよみさん。
私にとってはハワイアン界のお母さん…みたいな存在で…と言ったら「せめてお姉さんにしてよ！」と言われて笑った事があるけれど、そういう存在の方でした。
私は昔ながらのハワイアンスタイルのウクレレを父に仕込まれて来たけれど、新しいハワイアンやりたい！と、インターネットもなく、ハワイからアーティストも殆ど来なかった時代、唯一の頼りはタワーレコード。少ないハワイのアーティストのCDを買ってはハワイのミュージシャンの奏法を徹底的にコピーしまくったのでした。
新しいスタイルのハワイアンバンドを作りたい！とバンドメンバーを探したりしていたら、ギタリスト探してるバンドがあるよ！と声をかけて頂いたのが「夏きよみとトロピカルサウンズ」というバンドさんでした。
まだ若くて鼻息の荒かった私を優しく受け入れて下さいました。
まだ今みたいにフラの人口が少なかった時代、夏といえばハワイアン！という事で、会社の納涼祭や商店街のイベントやら、とにかく大忙しでした。今持っている経験とかそういうものはあの時に叩き込まれたんじゃないかな…。
一旦はバンドを飛び出しちゃったけど、その後も時々声をかけてくださって一緒に演奏活動したりしていましたが、ここ数年は「最近歌ってないのよ〜」と仰っていました。ある時闘病中であると電話を頂き、その時はこんなに早く亡くなるなんて思ってもみなかったので、「また元気になったら一緒に演奏しましょう！」なんて話をしていたのに、突然の訃報。
最後に電話で話した時も「わたし鶴ちゃんと活動してた時が一番楽しかったのよ。鶴ちゃんのギターが一番歌いやすかったわ。」と言ってくださり、今でもその言葉が耳に残っていて、思い出すと涙が止まらなくなるのだけれど、私が在籍していた時代にレコーディングしたCDをいつも病室で流してくださっていたそうで、その時の私の演奏といえば、若気の至りで今聴くととても恥ずかしい演奏でした。
今だったらこんな弾き方しないのに…と思い、今回もAIの力を借りてヴォーカルパートを抜き出したら、あの時のきよみさんの声が甦りました。
幸いクリックを使って録音していたので、きよみさんの歌声にギターとウクレレを新たに録音してみました。
1998年当時のきよみさんの歳を一気に越してしまい、演奏上は私の方が年上となり、現実だったら絶対に歳を飛び越えられないのですから、とても不思議な気持ちでギターを弾いていました。
この曲Kaulana Kawaihaeはきよみさんがハワイへ旅行で初めて聴いて気に入って、いつも歌っておられました。
あの頃はハワイアン界でも1番の若手だった私も気が付けば還暦。もうひと踏ん張り頑張ります。