特集「キャッチ」44歳で突然ALS患者に 葛藤乗り越え“自分らしく生きる”女性の姿

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特集「キャッチ」です。映像に映る女性は、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病を患っています。「重い障害があっても自分らしく暮らしたい」と、さまざまな葛藤を乗り越え“生きよう”とする女性の姿を見つめました。

目が小刻みに動き、視線で入力した文字をパソコンが読み上げます。

操作しているのは、北九州市小倉北区の南里雅子さん(51)です。全身の筋肉が徐々に動かなくなる国指定の難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症の患者です。

話すことも動くこともできないため、24時間の介護が必要です。

それでも南里さんはことし7月、病院を出て一人暮らしを始めました。

■ALS患者・南里雅子さん(51)
「ご飯4分の1。半分食べたら温泉卵を加えます。切り干し大根残り、お茶30ccと残りは最後に飲みます。」
■ひといき 重度訪問介護 介護スタッフ・上田美保子さん
「頑張ります。」

病院での食事は、大半がチューブで直接胃に栄養を送るものでした。

いまは、その日に食べたいメニューをヘルパーに頼むことができます。

■上田さん
「普段生活している皆さんが、熱々のご飯を食べるのと同じように、熱々の物を食べてもらいたいので。」

南里さんを担当する上田美保子さんは、食べやすいようにとろみをつけるなど調理を工夫しています。

■上田さん
「食べるのが本当に楽しみやもんね。一家族よね。プライベートで買い物に行っても、 これなら食べられるかなとか、いろいろ頭から離れない。」
■南里さん
「ありがたいね。」
■上田さん
「めっちゃそっけない言い方やけど、このパソコン。」

寄り添うヘルパーの存在が、南里さんの日常を支えています。

この日、南里さんは医療機器の交換のため、病院に向かいました。移動には3人のヘルパーが付き添います。介護事業所の人手不足もあり、ALS患者をみることができるヘルパーを確保するのは簡単ではありません。

■上田さんの同僚
「右?少し右にやる?違うな。」
■上田さん
「視線を見て。左手は(触らなくて)OK。」
■上田さんの同僚
「触るところでした。」
■上田さん
「話しかけながら、視線を追ってあげないと。」
「笑顔で話をしながら、もう目は全然違うところを観察していたりとか。空気のようにそばにいるのが当たり前っていう存在で、常に寄り添って一緒にずっと生きていけたらと思います。」

南里さんが体の異変を感じたのは、アメリカ・ニューヨークに語学留学していた44歳の時です。突然、平坦な道で転んだり、物を落としたりするようになりました。

日本に帰国し、病院で診断されたのが難病のALSでした。

■南里さん
「疑っていたのですが、ショックでした。笑顔が取りえだったので、死ぬにしてもみんなに自分の顔は笑顔で覚えてもらいたいと考えて、1週間泣きはらしたのちに笑うことを選びました。」

しかし、ALS患者は病名を告げられてから、いくつものつらい決断を迫られます。

自分で歩くことや食べることを諦めたり、中でも大きな選択が、のどに穴を開けて人工呼吸器をつけるかどうかです。つけなければ呼吸する力が弱まり、2年から5年で死亡すると言われていますが、つける選択をするALS患者は約3割しかいません。声を失うことにもなるからです。

■南里さん
「将来、目も動かなくなって意思疎通もできずに生きることへの恐怖心や家族や周りの人に迷惑をかける勇気もなく、生き続ける理由を見いだせずにいたので、気管切開しないつもりでした。」

希望を失っていた南里さんを変えてくれたのは、知人の洋菓子メーカーでした。

体が動かなくなる前に好きなことをしたいと、南里さんはお菓子の販売や教室に挑戦しました。その時のレシピを再現させてほしいと申し出があったのです。

■南里さん
「私のお菓子の味と向き合い方に共感いただいて、ブランドを再現したいと声をかけていただいた。生きる意味を見つけました。」

去年、南里さんは気管切開の手術を受けました。生きる選択をしたことで、新たに“一人暮らしをする”という目標ができました。

実現に向け、奔走してくれた女性がいます。

■あったか訪問看護ステーション 看護師・入江里代 所長
「こんにちはー。失礼します。」

この日、南里さんの自宅を訪れたのは、入院していたときに知り合った入江里代さん、訪問看護事業所の所長です。

不動産会社とのやり取りがままならない南里さんに代わって、家探しを手伝ってくれました。しかし、簡単には見つかりませんでした。

■入江さん
「(不動産会社に)『障害者は入ることができない』と言われたので、そんなことがまさかあるとは夢にも思わずに。普通に探して入れるものだと思い込んでいたので。」

複数の不動産会社から、『障害』を理由に入居を断られたといいます。

それでもバリアフリーの造りや南里さんの希望も踏まえながら、1か月かけて見つけたのが、いまのマンションでした。

■入江さん
「『病気があると病院や施設にいなさい』ではない世の中になっていて、南里さんの笑顔を見てもらったら本当に分かるんですけど、良かったなって。」
■南里さん
「ここまで親身になってくださった入江さんには、感謝しかないです。」
■入江さん
「そんなことはないけどね。いや、でもほんと、本当良かったなと。」

南里さんがたびたび口にするのは、周りの人たちへの感謝の言葉です。

■南里さん
「病院にいた頃よりは、まるっきり病人ではなく人らしい生活に近くなりました。生きることに遠慮せずに、自由な気持ちを持てる社会になってほしいです。」

誰もが住みたい場所で自分らしく生きていけるように、南里さんのささやかな願いです。

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