保護猫の譲渡を推進 「一時預かりボランティア」で命をつなぐ 岩手・盛岡市 (24/08/12

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岩手県の集計によりますと、2023年度に飼い主が分からないなどの理由で保健所に保護されたネコとイヌはあわせて730匹。
このうちネコは全体の約8割の607匹となっています。

一般的に野良犬に比べ野良猫が多いほか、多くのネコを飼いすぎて適切に飼育できなくなる「多頭飼育崩壊」などが主な要因です。

保護されたネコのうち、半数以上は元の飼い主に戻されたり新たな飼い主のもとへ渡されていますが、行き場のない保護猫が常に一定数いるのが現状です。

そこで県では保護猫の譲渡をいっそう進めるため7月から新たなボランティアの募集を始めました。

盛岡市にある県央保健所「犬・ねこ保護センター」には、行き場がなくなった20匹あまりのネコやイヌが保護されています。

しかし保護センターは老朽化が進んでいるほか、保護される動物の数が増えていて手狭なことが課題となっています。

こうしたなか、県は定期的に譲渡会などを開き新たな飼い主を探す活動を進めています。

しかし、ネコが「人に慣れていない」ことを理由に譲渡が進まないことが少なくありません。

そこで県は7月から、保護猫を一般家庭で一時的に世話してもらう「一時預かりボランティア」の募集を始めました。

保護猫のエサ代や医療費は県の予算やクラウドファンディングなどで集めた資金でまかない、ボランティアの負担が減るようにしています。

愛情を注いで世話をしてもらうことでネコが人に慣れて、最終的には新たな飼い主への譲渡が進むことを期待しているということです。

県央保健所 高橋秀彰上席獣医師
「県の施設には上限があります。また人員的にも限界がありますので一般の方のボランティアの手助けを借りまして、よりよい生活環境で暮らしてもらう。一匹でも幸せなネコ・イヌを増やしていきたい」

奥州市内に住む遠藤美幸さんは、7月から「一時預かりボランティア」としてオスの保護猫「ジロ」を預かっています。

ジロは飼い主が亡くなったことで保護されたネコで、人との触れ合いがほぼなかったことから当初は人間不信の状態でした。

一時預かりボランティア 遠藤美幸さん
「あまりにもウーウーと言ってなつかない。どうやったら人なれできるんだろうって思った」

そこから2週間ほど根気強くコミュニケーションをとりつづけると、ジロに少しずつ変化が見られました。

一時預かりボランティア 遠藤美幸さん
「どんどん手を近づけても怒られなくなったりとか表情も変わってきたし、一日一日変化はしていると思う」

すでに2匹の保護猫を飼っていて、ネコと関わることが生きがいだという遠藤さん。
「一時預かりボランティア」を通してジロにも日々寄り添い続けたいと考えています。

一時預かりボランティア 遠藤美幸さん
「この子の本当のずっとのおうちを見つけてあげるのが第一歩で、そこで私も自信をつけてどんどん他のネコちゃんたちのずっとのおうちを見つけていきたい」

保護猫を新しい飼い主へ。命をつなぐ取り組みが少しずつ広がりを見せています。

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