『あの子に似た幽霊の話』 feat.初音ミク

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ある日、少年は死んでしまいました。

何かやり残したことがあるのか。はたまた、どうしても会いたい人がいたのかは分かりません。しかしどういうわけか、少年はこの世を彷徨う幽霊となってしまいました。

幽霊なので、普通の人間には触れることは愚か、見ることもできません。だから彼は、成仏する方法も分からないまま孤独に日々を過ごしていました。

「嘘でしょ...?」

ある日、少年の背中から風鈴のように透き通った声が聞こえてきました。振り返ると、宇宙人でもみたかのような表情をした少女が1人。少年が見えるということは、ひょっとすると幽霊仲間...?

「は、はじめまして...」

彼女があまりにもぽかんと口を開けてるので、ややあって声を掛けてみました。すると少女は何故か涙を瞳に浮ばせながら言いました。

「はじめまして、だよね」

その瞬間、少女の姿がみるみる透明になっていきました。少年は泣きそうな様子の彼女を見て不思議に思いました。

「もしかして、今まで凄く寂しかったとか?」
「違うよ、そうじゃないんだけどさ」
「てか、僕でも見えにくいくらい透明だよ。もう成仏が近いの?」
「まだ大丈夫だし」

突き放すように言う彼女の声音は少し楽しげでした。彼女は続けて、目線の先にある古びたバス停を指差しながら少年に提案しました。

「ねね、明日のお昼もさ、またこのバス停で待ち合わせしよ。それで、お互い退屈を紛らわそう」

少年は言われるがまま、こくんと頷きます。孤独に苦しんでいた少年にとっても、それは嬉しい誘いだったからです。しかし少年はあることを懸念しました。

「でもさ、もう君は透明で見えないじゃん。来たかどうかは分からないよ」

少女は少し考えて、「じゃあ」とまた口を開きます。

「スズメウリ」
「なにそれ」
「あのバス停の名前、スズメウリ2丁目だから。合言葉ね」
「なんか、お洒落でいいね」
「ね!」

少女があまりにも嬉しそうな声で少年と約束を取り付けたので、少年もつられて嬉しくなりました。

気づけば辺りはすっかり日が暮れた午後19時半。2人は手を振り、お互いの住処に向かって歩き出しました。

別れ際、少女が涙ながらに呟きます。

「君が生まれ変わって、また私に会いに来てくれて、私は幸せものだなぁ」

少女は、少年には届かないくらい小さな声で、大きな幸せを噛み締めます。

少女の姿はまた少し、透明に近づきました。

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2024ボカロック投稿祭参加作品
第23回プロセカNEXT応募楽曲

作詞・作曲・映像 猫島音楽
  / nekoshimamusic  
イラスト 咲里キリコ
  / kiricoskst  

【歌詞】
臆病で泣き虫な少年と
強がりで寂しがりな少女
そんな2人の幽霊たちが紡ぐ目が廻るような歌

待ち合わせはいつもバス停で
君の姿は無色透明だ
2人で決めた合言葉
1人呟けばすぐにこだました

君のことは大体知ってるよ
成仏なんてできやしないでしょ?
うるさい君が話足りる
までは付き合ってあげるよ

不意に 懐かしくなった
君の バイバイのトーンが
まあいいさ 明日また会えたら
確かめればいい話なんだ
冗長な僕は眠りについた
気づけば君はもういなくなった

変わらない幸せが繰り返す
君との馬鹿話が好きだった
なんで君だけ逝っちゃうんだ
哀しみで心が枯れそうだ

君に会えない日常なんて
満たされてくわけがないんだよ
どこにも行けない僕は独り
虚ろに空を眺めてた

夕焼け空が
僕ら見送りながら
またねって約束する
夢を見た

あれから冬も春も越えたのに
僕の姿はまだ不透明だ
やり残したことしかないのに
天国なんて行けるかよ

ある日 ちらりと目に入った
ベンチ裏に彫られた文字
「また君に会えて嬉しかった! 全部報われた気がしたんだ 君に涙を見られる前に ああ バイバイしなくちゃ」

青梅雨で蒸した信号機
苔むした東屋 机の藤
僕だけ1人いる場所に
君といた夏だけが香るんだ

君の声がもっと聞きたいよ
君のことがもっと知りたいよ
僕を呪った君のせいで
僕の心は八起き九転び

君の声をもう忘れたいよ 
僕の声はまだ忘れないで
ちぐはぐなまま 数十年も
この恋いをしまっておこう

バス停裏である日泣き声が
君に似た声がしてたんだ

はじめましてとさよならが
同時にやってきた夏

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