ドルビーノイズリダクションシステム

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ドルビーノイズリダクションシステム, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=2... / CC BY SA 3.0

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ドルビーノイズリダクションシステム

ドルビーノイズリダクションシステム(Dolby Noise reduction System)とは、ドルビーラボラトリーズ社によって開発されたノイズリダクションシステムである。1966年に最初の実用システムが開発されて以来、ノイズリダクションシステムの主流として広く用いられている。

システムには業務用のA、SR、民生機用のB、C、Sがある。B、C、Sはコンパクトカセット用デッキに搭載され、再生時に発生するテープヒスノイズを低減するのに用いられる。

ノイズリダクションを示す表記、或いは略記として「NR」(Noise reduction)と記述される事が多く、本項もそれに倣う。

ちなみに混同されやすいdbxは、dbx社が開発したノイズリダクションシステムであり、ドルビーとの関連性はない。

最初に開発されたシステムで、主に業務用途での録音・再生に使用された。このシステムでは、20~20,000Hzを4分割して、各帯域で圧縮、伸張を行う。これにより、約10~15dBのS/N比の改善が得られる。

1966年にイギリスのデッカ社が、自社のレコードのマスターテープに初めてこのシステムを導入した。映画音響の製作にも1970年代中期までにはAタイプのNRが導入されていた。ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』とスティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』をきっかけに、ドルビーAはサラウンド音声「ドルビーステレオ」にも本格的に使われるようになり、映画館の音質改善にも寄与した。

1969年に開発され、Aタイプを基に簡略化し民生用で使える仕様にしたもので、一連のドルビーNRとしては最も広く普及した。ヒスノイズが耳につく高い周波数の入力音声信号を、テープに記録する際にレベルを上げて記録(エンコード)し、再生するときには元のレベルに戻して再生(デコード)する。これにより、聴感上ヒスノイズが低減される。ただし単純にレベルを上げるだけでは、大きな入力レベルの時に飽和を起こしてしまい、まともに記録できない。そこで、大きな音の時にはノイズが聞こえにくいという、人間の耳のマスキング効果を利用し、入力レベルが大きい時には倍率を上げず、小さい時には倍率を上げる、圧縮記録の考え方を用いている。最も入力レベルが小さい時には150Hz付近からレベル上昇させ、5kHz付近でのS/N比が約10dB改善されるように設定されている。

メリットは、S/N比の改善、ダイナミックレンジの拡大である。デメリットは、テープまたはデッキの周波数特性に乱れがあるとそれが拡大される、録音時にバイアスと録音レベルの調整を正しく行わないと正しく再生されない、パンピング(動的副作用)と言って、パルス性の信号(キックドラムや木琴などのように立ち上がりが速くて響きが時間的に短い音)に対して、再生時に追従しきれずにノイズが聞こえてしまう、などである。また、体感的な問題として、音がこもりやすいというのも良く挙げられる。

カセットデッキに記載されているドルビーノイズリダクションの表記として、「DOLBY NR」や「DOLBY SYSTEM」と書かれているものは、このドルビーBタイプに相当する。

1970年、日本ビクター(現・JVCケンウッド)は、4チャンネルステレオレコードの、差信号のノイズ低減のために、ノイズリダクションシステム「ANRS」を開発した。開発から数年後にコンパクトカセット用のノイズリダクションシステムとして同社のカセットデッキやごく一部のステレオラジカセ(例・RC-M90)等に順次搭載されたが、ドルビーBタイプと同等の仕様となっており、互換性がある。ANRSの発展・改良型となるSuper ANRSはドルビーBタイプとは全く互換性がない。

アメリカではFM放送をドルビーBタイプでエンコードし、受信機側でデコードしてノイズを減らすドルビーFMシステムが1971年に登場、いくつかの放送局で試みられた。しかしこれは成功を収めることはなく1974年頃には次第に終息に向かった。対応するFMチューナーがいくつか発売され、内蔵するドルビーBタイプユニットを外部デコードプロセッサとして使用できるモードを備えたカセットデッキも少数発売された(TEAC A650海外仕様等)。

ドルビーBタイプはカセットデッキの手軽な音質改善機能として多くのユーザーに使われ成功を収めた。当初はハガキ大のプリント基...

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