九州の1丁目1番地にそびえる〝山〟

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福岡・天神の1丁目1番地1号。九州最大の繁華街のど真ん中に、その〝山〟はそびえていた。台形のシルエットの巨大なビルが緑に飲み込まれるように覆われ、まるで自然の山を見上げているようだった。

 地上14階建て鉄筋コンクリート造りの「アクロス福岡」は、コンサートホールや会議場が入る複合施設だ。南側が「ステップガーデン」と名付けられた階段状の屋上庭園になっており、計約5400平方mにウメやカエデなど主に九州北部に自生する約200種の草木が植えられている。

 完成は平成7年。折しも、地球温暖化を防ぐ枠組みを議論する、国連気候変動枠組条約締約国会議の第1回(COP1)がベルリンで開かれた年だ。環境保護への関心が高まるなか、旧福岡県庁舎跡地に、先に整備された公園から屋上へと緑地がつながるようにデザインされた。

 近年、二酸化炭素の削減やヒートアイランド現象の緩和に効果的と、建物の壁面や屋上の緑化は一般的になったが、当時はまだ珍しかった。ステップガーデンの規模と大胆なデザインは「建築緑化」の先駆けだった。

 植栽を設計し、今も管理に携わっている造園家、田瀬理夫さんは「完成時、こうした大規模に緑化した建物はどんどん増えると思っていたが、そうはなっていない。開発が進む都市の廃熱をもっと考えなければならない」と訴える。

 誕生から27年を迎えたステップガーデンでは、ビルの大規模改修に伴い古い木々を若い苗に植え替える作業が進む。

 「森では大木が倒れると、環境が変わり新たな植生がスタートする」と田瀬さん。

 四半世紀を経て成長し続けている〝都会の山〟。これからも、コンクリートに囲まれて忙しい毎日を過ごす人々に自然の恵みと一時の涼を与え続けてくれるだろう。

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