3万分の1の奇跡!?オスの三毛猫　熊本市で保護

数万分の1の確率でしか誕生しないと言われる“奇跡の猫”が、熊本市で保護されました。

　熊本市で開かれた猫の譲渡会。新しい家族を求める約40匹の猫の中で、一際注目を集めていたのが、7月に保護された三毛猫です。

犬ねこみらいサポート・飯村丹子さん
「犬ねこみらいサポートの看板猫のオスの三毛猫の三毛太郎です」

“オスの三毛猫”と聞いて驚いた人も多いのではないでしょうか。なぜなら―

名古屋学芸大学・間崎剛講師
「本来はありえない現象ですけど、珍しいながらにも起こりうる。3万分の1ぐらいではないかという人もいます」

　三毛猫は一般的に3つの色の毛が生えている猫のことを指しますが、実はそのほとんどがメスで、オスの三毛猫が生まれる確率は、3万分の1とも言われます。

名古屋学芸大学・間崎剛講師
「昔からそういう個体はたまにいることは、記録とか文献とかでちらほら残っていて、とても珍しい存在なので、幸運の象徴みたいな商売繁盛の神様みたいに、もてはやされたりしてきたと聞いております」

　「三毛太郎」は、7月下旬、野良猫に不妊手術などを施して元の場所に返す「TNR」の活動中に、設置した捕獲器に入っていたところを保護されました。

　25年以上にわたり、猫の保護活動に携わる犬ねこみらいサポートの中野裕子代表は「初めてです。もうびっくりしました。話には聞いたことがあるんですけど、実際に抱っこしたのも初めてで。柄も見ての通りきれいでスタッフ一同びっくりしております」

　通常であれば、保護した猫は、譲渡会で新しい家族との出会いを待ちますが、「三毛太郎」はこの団体が育てることにしたそうです。

中野裕子代表
「本当に珍しい猫ということで、転売などをされる方もいらっしゃいますので、うちの看板猫、営業部長として迎えようと今は働いてもらっています」

　3万匹に1匹の奇跡の猫、「三毛太郎」。今後は“看板猫”として活動をしていく予定です。

【解説】
　なぜ、三毛猫のオスが珍しいのか？

　理由は遺伝子の仕組みにあります。哺乳類の性別はXとYがオス、XとXがメスというように2つの染色体の組み合わせで決まるため、子どもがオスになるには父親からY染色体を受け継ぐ必要があります。

　一方で、毛の色を決めるのはXの染色体です。元々、白い毛の遺伝情報を持つネコに異なる2色が加わったのが三毛猫で、三毛猫は毛の色を決めるXの染色体を2つ持っている必要があり、理論上はメスしか存在しないことになります。

　ただしオスの個体が遺伝子の異常でX染色体2つを受け継ぐことがあります。この場合に誕生するのがオスの三毛猫で、その確率は、3万分の1とも言われる理由です。