“ロケット弾も防ぐ車”で都内を移動する米大統領　車列には“電波妨害できる車”も（2022年5月23日）

大統領就任後、初めて来日したアメリカのバイデン大統領と岸田文雄総理大臣の首脳会談が５月２３日に行われました。会談で何が話し合われたのか。また、アメリカの狙いはどこにあるのでしょうか。

　５月２２日、大統領専用機「エアフォースワン」で韓国から東京の在日アメリカ軍「横田基地」に到着したバイデン大統領。就任後、初めての来日です。タラップを降りてきたバイデン大統領は、その後すぐに大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」に乗り込み、六本木の米軍基地へ向かいました。

　基地の周辺には２２日夕方、バイデン大統領の写真を撮ろうと大勢の人が集まっていました。

　（記者リポート）
　「警察によっていま、周囲の道路が封鎖されました」

　厳戒態勢をとる警察官と待ち構える報道関係者。さらに、近所の人も今か今かと大統領の到着を待ちます。

　（近隣住民）
　「バイデンさんがここを通られるっていうので。せっかく近くにいらっしゃるから」

　（記者リポート）
　「六本木のヘリポートにいま、大統領専用機『マリーンワン』がおりていきました」

　その後、バイデン大統領はロケット弾による攻撃も防ぐという専用リムジン「ビースト」に乗り込み、ホテルに向かいます。

　（記者リポート）
　「ビーストが見えました。大統領がおそらく後ろの方に乗っていると思われますが、どうでしょうか。…バイデン大統領の姿が見えました。黒いマスクをしているのでしょうか」

　後部座席から沿道に手を振るバイデン大統領。ビーストの後ろには２０台以上の車が続きます。

　（記者リポート）
　「“医療を司る車”が通っています。そしてこちらのアンテナを積んでいる車は、携帯電話を繋がらなくすることもできるという、電波妨害もできるという車だそうです」

　約１５分後、バイデン大統領はホテルに到着しました。

　一夜明けた５月２３日、バイデン大統領は専用車で天皇陛下のお住まいの御所へ。陛下が笑顔で出迎え、カメラ撮影に応じたあと、小広間に移動して３０分間会見されました。

　そして午前１１時半、迎賓館で日米首脳会談がスタートしました。

　（岸田文雄総理大臣）
　「今回の訪日は、いかなる状況にあっても米国がインド太平洋地域への関与を強化し続けることを示すものであり、心から歓迎申し上げたいと思っております」

　（バイデン大統領）
　「日米同盟は長くインド太平洋の平和の礎となっていて、アメリカの『日本への防衛のコミットメント』が揺らぐことはありません。この先の試練にも一緒に取り組んでいきたい」

　両首脳は、「ウクライナ情勢」や「インド太平洋地域の情勢」について議論。会談後に行われた両首脳による共同会見で、岸田総理は次のように述べました。

　（岸田文雄総理大臣）
　「私の方からは、日本の防衛力の抜本的な強化を行う、そしてその裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する、こうした決意を述べました。いわゆる反撃能力を含めて、あらゆる選択肢を排除しない、こうした旨も述べた次第です。ジョー、ありがとうございました」

　一方、バイデン大統領は次のように述べました。

　（バイデン大統領）
　「アメリカは引き続き日本の防衛にコミットしていきます。強い日本、そして強い日米同盟、これは“良きこと”のためになされるわけです」

　ロシアや中国を念頭に、力による現状変更を許さない考えを強調した両首脳。このほか会見ではバイデン大統領から「日本の常任理事国入りを支持する」との表明があったことも明かされました。

　日米同盟の「抑止力」を世界に示すことはできたのでしょうか。

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