コーラングレ

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コーラングレ, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1... / CC BY SA 3.0

#木管楽器
#オーボエ属
コーラングレ(コール・アングレ、仏: Cor anglais)またはイングリッシュホルン(英: English horn)、コルノ・イングレーゼ(伊: Corno inglese)は、ダブルリードの木管楽器の一種である。
名称は全て「イングランドのホルン」の意味。
オーボエと同族のF管楽器で、オーボエよりも低い音を出す。
まれにアルトオーボエ(alto oboe)と呼ばれることもある。
コーラングレは、楽器の先端部(ベル)が、しばしば「洋梨」と形容されるように、丸く膨らんでいるのが外観的な特徴である。
オーボエと同じ指使いでオーボエより完全5度低い音が出る(つまり、楽譜上の記音「ド」(ハ、C)の音を出すと、実際にはその下の「ファ」(ヘ、F)音が出る)。
このため、オーボエ奏者が演奏しやすいよう、オーボエと同じ指使いの音を同じ音符で書く。
従って、記譜された音から完全5度低く鳴るヘ調の移調楽器である(ごく稀に、アルト譜表に実音で記譜されることがある)。
オーケストラではオーボエ奏者が持ち替えて演奏することが多い。
音域は2オクターブ半ほどである。
ただし、オーボエの最低音変ロ(B♭)音に相当する音[実音で中央ハの下の変ホ(E♭)]を持たない楽器も珍しくない。
古典派の交響曲で使われることは少なかったが、ベルリオーズやフランクなどのロマン派時代から多用されるようになった。
その独特の牧歌的でエキゾチックな響きから、オーケストラにおいては独奏楽器的な扱い方をされる場面も少なくない。
基本的にはオーボエ奏者(性質上、2番奏者)が持ち換えるが、3管以上の編成では単独のパートとして書かれた楽曲も多い。
コーラングレの原型となったオーボエ・ダ・カッチャ 「コーラングレ」はフランス語で「イングランドのホルン」という意味だが、この楽器はイングランドとも(フレンチ)ホルンとも関係がない。
コーラングレは1720年ごろにおそらくブレスラウのヴァイゲル家により、オーボエ・ダ・カッチャ(イタリア語で「狩りのオーボエ」の意味)式の曲がった管体にあわせて球根形のベルをつけたことに始まる。
2つのキーを持ち、ベルが開いていて、まっすぐなテノール・オーボエ(フランス語で「taille de hautbois」)、および朝顔形のベルをもつオーボエ・ダ・カッチャは、中世の宗教画に出てくる天使が吹くラッパを連想させたため、ドイツ語で「engellisches Horn」すなわち「天使の角笛」とよばれるようになった。
engellisch という語は「天使の」のほかに「イングランドの」という意味もあったため、「天使の角笛」から「イングランドのホルン」に変化した。
ほかによい別な名がなかったため、オーボエ・ダ・カッチャが1760年ごろ使用されなくなった後になっても、この曲がった球根形ベルをもつテノール・オーボエは同じ名前で呼ばれつづけた。
コーラングレ専用のパートを持つ最古の管弦楽譜は、1749年のニコロ・ヨンメッリのオペラ『エツィオ』のウィーン版で、ここではイタリア語で「corno inglese」と呼ばれている。
それにつづく1750年代のグルックとハイドンの作品でも同様である。
ほかにジュゼッペ・ボンノ、ヨハン・アドルフ・ハッセ、ヨーゼフ・シュタルツァーらのウィーンの作曲家や、ザルツブルクのミヒャエル・ハイドンが初期のコーラングレの使用者だった。
またグルックに影響された人々、特にエクトル・ベルリオーズもコーラングレを使用した。
コーラングレはまた18世紀末のイタリアオペラで使用された。
最初のコーラングレ協奏曲は 1770年代に書かれた。
「コーラングレ」という名前からは皮肉なことに、フランスでは1800年ごろ、英国では1830年代になるまでコーラングレは使用されなかった。
「イングランドのホルン」に相当する名前は、イタリア語・フランス語・スペイン語などヨーロッパの諸言語でも使われている。
コーラングレの「アングレ」が中世フランス語の「anglé」(角ばった、角で曲がった。現代フランス語のangulaire)がくずれたものだという説が提唱されたこともあるが、この説は19世紀に cor anglais という語が出現する以前に cor anglé という語が使われたという証拠がないことから否定されている。
この楽器の名が普通に現れるようになるのは、1741年以降のイタリア・ドイツ・オーストリアのスコアで、通常はイタリア語で「corno inglese」と記されている。
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