「無辜の祈り」 陸上自衛隊中央音楽隊第171回定期演奏会

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陸上自衛隊中央音楽隊第171回定期演奏会 Great Harmony~いま大いなる和のもとに~
Japan Ground Self Defense Force Central Band 171th Regular Concert
令和6年2月21日(水) すみだトリフォニーホール
2024.2.21 (Wed) SUMIDA TRIPHONY HALL

「無辜の祈り」 奇跡の一本松~再び海へ~ほんとうの幸福/樽屋 雅徳
Player of the innocence / TARUYA Masanori

指揮:副隊長 2等陸佐 柴田 昌宜
Conductor : Executive Officer LTC SHIBATA Masanori

 樽谷 雅徳(1978~)は、日本の吹奏楽における人気作曲家の一人である。
 この曲は、東日本大震災の発災から2年後、作曲者自身が東北の被災地を訪れ、被害の大きさや変わってしまった景色を目の当たりにし、そのような中でも少しずつ前に進もうとする人々の姿から、強い復興への願いを込めて作曲された。
 曲は、「奇跡の一本松」「再び海へ」「ほんとうの幸福」の三つの部分からなっている。
 津波によって大きな被害を受けた陸前高田。約7万本あった高田の松原で唯一奇跡的に残り、震災後の人々の心のよりどころとなった「奇跡の一本松」。海を見つめ佇み、何かを語りかけているように見える一本松の様子が、美しくも儚い表現で演奏される。
中間部の「再び海へ」では、漁が再開され、船に乗り海へ出ていく漁師たちの勇ましい様子が、そして後半の「ほんとうの幸福」では、巨大地震、大津波、原発事故という未曽有の複合災害を経験した被災者に、一日でも早く心からの笑顔が訪れることを祈る気持ちが込められている。
 作曲者は「『無辜』何も罪のない人々、街、ものが、深い傷を負い苦しい現実と戦いながらも、どうか少しでも早く癒されますように、明るい未来を願っています。」と語っている。
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