知の回廊 第90回「古代ローマの裁判」

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監修:森 光 准教授(法学部)

 イタリア南部のカンパニア州には、『エルコラーノ』という、遺跡の街があります。
この遺跡は、古代ローマ時代『ヘルクラネウム』と呼ばれ、紀元79年、有名なポンペイの街と共に、ヴェスヴィオ火山の噴火によって、地中に埋もれてしまった、悲劇の街です。
 1938年、この遺跡の住居跡から、古代ローマ時代の裁判記録を記した書字板が発見されました。記録によると、この裁判の原告はペトロニア・ユスタという女性で、母親は元奴隷のウィターリス。父親は不明です。
 当時のローマは、奴隷制度を基盤とした階級社会であり、自由人の子供は自由人、奴隷の子供は奴隷であるとされていました。しかし、ユスタの母ウィターリスは元奴隷であり、母親がどの時点で奴隷から解放されたのかが不明であったため、ユスタ自身が、生まれながらの自由人であったのか、または解放された奴隷であるのかが争われたのです。
 彼女は自らの身分を証明するために証人を集め、首都ローマのアウグストゥス広場にて、2日間の審議が行われました。その模様が、1900年以上も前の書字板に、克明に記されていたのです。
 現代日本の法制度の源流とも言える、ローマ法を中心に、当時の裁判の様子を再現しながら、古代ローマの世界を見てみましょう。

2012年度制作

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