2024能登半島地震 被災地報告 #15 「輪島市門前町:崩壊建物から重機を使って大切なものを取り出す支援」

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ジャパン・プラットフォーム(JPF)は2024年1月1日に発生した能登半島地震の被害と支援の様子を伝えるため、広報カメラチームを被災地に派遣しました。能登半島各地の様子をお伝えします。

第15回 輪島市門前町:崩壊建物から重機を使って大切なものを取り出す支援
<Vネット(Vnet)の支援活動>

被災者の要望を受け重機を使って崩壊家屋から遺影を取り出す

NPO法人Vネット(Vnet)はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて、輪島市門前町で仮設風呂や洗濯機を設置しています。それに加え被災者の要望を受けて、崩壊した建物からパワーショベルなどの重機を使って大切なものを取り出しています。
この日、Vnetは被災者の希望に応えて3軒の崩壊した家屋から思い出の品を取り出しました。まず向かったのは被害の甚大な門前町諸岡地区の被災者の自宅です。朝8時過ぎからスタッフ11人で小型パワーショベルと手作業で、原形をとどめないほどに崩壊した家屋から位牌や遺影など思い出の品を取り出しました。次は数百メートル離れたお年寄りの被災者の実家です。こちらの2階建ての家も屋根以外は跡形もなく崩壊しています。幸い被災した方はいませんでしたが、長年住んだ実家でご家族の想いでの品がたくさん埋もれています。被災者の方は避難所でVnetの活動を聞きつけ、ご両親と姉の位牌だけでも取り出したいと依頼しました。パワーショベルでがれきの山をかき分け、およそ3時間後に3人の位牌を取り出すと、拍手が起きました。依頼された被災者は位牌を手に「感謝しています」と何度も話していました。3軒目は門前町浦上地区の被災者の崩壊した自宅です。祖父母の遺影を取り出したいという依頼でした。自宅は大きく崩れていて、小型の重機ではがれきの奥深くまで届きません。VnetはJPFを通じ機械大手のコマツ(株式会社小松製作所)から大型パワーショベルの提供を受け、この大型重機と自前の小型重機を駆使してがれきの山をかき分けます。さらにチェーンソーを使ってはりなどを取り除きながら、仏間があったと思われる場所に近づいていきます。最後はスタッフががれきの下に潜り込んで遺影を探します。上からがれきが崩れてくる可能性がある危険な作業です。およそ3時間後、祖父母の遺影を取り出すことに成功しました。依頼した被災者は「自分はおばあちゃんっ子だったんですよ。家は壊れてしまったけれど、思い出のおばあちゃんの遺影が取り出せて本当うれしい」と話していました。
Vnetはこの後、被災者の依頼で、崩壊した自宅近く崩れたお墓を重機を使って修復しました。
Vnetはこうした重機を使った作業のほか、門前町にある13か所すべての避難所にJPFの助成を受けて洗濯機を設置しています。それまで沢の水などで手洗いしていたため、洗濯機はとても住民に喜ばれています。しかし断水しているため、洗濯用水は山の中にある地原浄水場まで給水タンク車を運転して取りに行かなければなりません。海に近い門前町の端にある阿岸公民館の避難所からは片道30分かかるため、水を取りに行くだけで一苦労です。そこでVnetは、JPFの賛助企業のクリタグループから提供を受けた水の浄化装置を阿岸公民館に設置しました。公民館の裏を流れる沢から水を取り、ろ過したうえタンクに貯め、洗濯用水に利用しています。住民はろ過装置のおかげで楽になったと大変喜んでいました。
Vnetは、お風呂と洗濯機、そして重機を使った支援を続けていきます。

※重機を使った支援、お風呂・洗濯機の支援はJPFの助成による事業です。

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