光州事件

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光州事件, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=7... / CC BY SA 3.0

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光州事件

光州事件(こうしゅうじけん)は、1980年5月18日から27日にかけて大韓民国(韓国)の全羅南道の道庁所在地であった光州市(現:光州広域市)を中心として起きた民衆の蜂起。5月17日の全斗煥らのクーデターと金大中らの逮捕を契機に、5月18日にクーデターに抗議する学生デモが起きたが、戒厳軍の暴行が激しかったことに怒った市民も参加した。デモ参加者は約20万人にまで増え、木浦をはじめ全羅南道一帯に拡がり、市民軍は武器庫を襲うと銃撃戦の末に全羅南道道庁を占領したが、5月27日に大韓民国政府によって鎮圧された。

韓国では、朴正煕大統領の暗殺後、「ソウルの春」と呼ばれる民主化ムードが続いていた。しかし、軍部では維新体制の転換を目指す上層部と、朴正煕に引き立てられた中堅幹部勢力「ハナフェ(ハナ会・一心会)」との対立が表面化した。

1979年12月12日、保安司令官全斗煥陸軍少将が、戒厳司令官の鄭昇和陸軍参謀総長を逮捕し、軍の実権を掌握した(粛軍クーデター)。粛軍クーデター後も全国各地で反軍部民主化要求のデモが続いていたが、全斗煥が率いる新軍部は1980年5月17日、全国に戒厳令を布告し、執権の見込みのある野党指導者の金泳三・金大中や、旧軍部を代弁する金鍾泌を逮捕・軟禁した(5・17非常戒厳令拡大措置)。金大中は全羅南道の出身で、光州では人気があり、彼の逮捕が事件発生の大きな原因となっている。また、鎮圧部隊の空挺部隊も、かつては韓国軍のエリート部隊であったが、全斗煥の警護部隊的な位置づけに格下げされ、兵士たちには鬱憤がたまっていた。

5月18日、光州市で大学を封鎖した陸軍空挺部隊とこれに抗議した学生が自然発生的に衝突した。軍部隊・機動隊の鎮圧活動は次第にエスカレートし、また翌19日にはデモの主体も学生から激昂した市民に変わっていった。市民はバスやタクシーを倒してバリケードを築き、角材や鉄パイプ、火炎瓶などで応戦した。21日に群集に対する空挺部隊の一斉射撃が始まると、市民は郷土予備軍の武器庫を奪取して武装し、これに対抗した。戒厳軍は一時市外に後退して、光州市を封鎖(道路・通信を遮断)、包囲した。

韓国政府は抵抗する光州市民を「スパイに扇動された暴徒」であるとした。 韓国メディアは光州で暴動が起きていることを報じた。海外メディアは、ニューヨーク・タイムズのヘンリー・スコット・ストークス東京支局長を始めとして、金大中は「処刑されるべきではない」との社説を掲げ「民主化運動の闘士」であるとの後押しを行った。また、ドイツ公共放送(ARD)東京在住特派員であったドイツ人記者が事件を報道した。

地元の有力者などで構成された市民収拾対策委員会は戒厳軍側と交渉するも妥結に至らなかった。市民たちは武器を手に入れると韓国軍を相手に銃撃戦を行い全羅南道道庁を占領した。指導部は闘争派と協商派に分かれて分裂した。5月26日、市民軍は記者会見でアメリカが介入すれば流血事態は阻止できると主張するとともに、同志は死ぬ準備が出来ていると発表した。結局、一部闘争派を残して自主武装解除を行い、この情報から市民に占拠された全羅南道庁に対する鎮圧命令が下った。5月27日、市民軍の先頭に立って武器倉庫を攻撃したユン・サンウォンを含む市民軍には射殺されるものもあり、韓国軍、警察隊にも死傷者を出しながら鎮圧作戦は終了した。光州市に投入された総兵力数は2万5千人に上った。1980年9月17日、金大中に死刑判決が下された。

当時、事件は「北朝鮮の扇動による暴動」とされたが、粘り強い真相究明の動きの結果、1997年に国の記念日となり、2001年には事件関係者を民主化有功者とする法律が制定。韓国の近代史でもっとも大きな事件の一つ、かつ韓国における民主主義の分岐点となった1987年6月の6月民主抗争の原動力となった。その一方で、2010年代においても韓国では当時の韓国政府と同様に北朝鮮の関与があったとする複数の報道もなされているが、それに対する非難の他、2017年1月に機密解除されたアメリカ中央情報局(CIA)の機密文書では北朝鮮の関与を否定するなど、事件の原因について対立する説がなされている。金大中を支持していたニューヨークタイムズのストークス記者は、当時は金大中に騙されていたと回想している。

当時の韓国国内では、全斗煥によ...

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