『SUPER BEAVER』ライブ直前に禁断の楽屋潜入【後編】～渋谷龍太さんの“世代感”と差し入れトラップ～

ユーモアと感性の巨人“渋谷龍太”ー

『SUPER BEAVER』は“デカい”バンドである。これは、物理的な話…というより器とか魂とか精神性の話だ。傍から見ていても、余りにも波乱万丈なバンドであるからこそ、どんどんどんどん大きくなっていく。だからこそ我々は、その“デカい”やさしさに胸を打たれるのだ。

ビーバーと対峙するとき、いつも船が航海しているような印象を受ける。バンドメンバーである船員たちが高校生の頃に出会って作り出した船は、これまで決して“順風満帆”ではなく、大きな波をたくさん越えてきた。インディーズからメジャー、メジャーからインディーズ、そしてインディーズからメジャー。これはレーベルの移り変わりという次元の話ではなく、船の大きさが変わったり、新たな船員たちに出会い別れ、波に船が傷つこうとも“ビーバー号”は航海を止めなかった。進み続けると、船員たちはたくましくなり、羅針盤は“やさしさ”の方向を示していた。船はみるみる大きくなり、やさしくて真っすぐな船乗りが集まった。みんなが乗りたい船になった。どんなに船員が増えようと、ひとりひとりに向き合うことを忘れず、丁寧に風を読んで進む。

そんな“ビーバー号”の船頭に立っているのが渋谷龍太(ぶーやん)さんだ。“フロントマン”という言葉がよく似合う。ただ、極めて謙虚で、いつも穏やか。出会ってきた人間の中でも最高水準の人間力。現代における“霊長類最強のバンドマン”と言っても過言ではない。心地よく滲み出す知性と品性、上質なユーモアまで兼ね備えている。これでいて、バンド内での役割分担がそれぞれあり、クルーみんなが魅力的だから、そりゃぁ船は強いわけである。

そんなぶーやんに、畏れ多くもライブ直前に直撃させてもらった。高次元なドッキリに面食らいながらも、流石のユーモアと感性に豊かな気持ちなり、尖りつつも語ってくれた“世代感”は、年齢を重ねることに対して高揚感を抱かせてくれた。こちらが肩を回して準備した同世代垂涎モノの差し入れに対しては、こちら出し順ミスもなんのその、気持ちよく弾き返してくれた。やはり最高である。応援するほかない。まだまだ多くの人に出会って、愛してほしい。というか、出会ったらもう愛しているでしょう。本当に貴重なお時間をありがとうございました！どうかこれからも好きでいさせてください！

『SUPER BEAVER』の大航海はつづく。

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