オリエント急行（フィリップ・スパーク）

オリエント急行
フィリップ・スパーク
Orient Express
Philip Sparke

日本でも人気のあるイギリスの作曲家であるフィリップ・スパークが、1986年に発表したブラスバンド（英国式金管バンド）作品。吹奏楽版は東京佼成ウインドオーケストラによるCD制作のために書き下ろされました。
この曲はタイトルの通り、ヨーロッパを横断する豪華列車「オリエント急行」を題材に、列車が進む様子や乗客の心情などを、起伏に富んだ音楽で描き出した作品です。
ロンドンのヴィクトリア駅の情景から始まり、蒸気機関車が発車する場面では、車掌のホイッスルや列車の汽笛、蒸気の音などが管・打楽器で巧みに表現され、煙をあげる列車の様子、車窓から見える風景までも聴衆の前に立ち上がるような、これから始まる楽しい旅を予感させる、壮大な音楽で曲は始まります。
メインテーマは木管が旋律を吹き、列車が風を切って軽やかに進んでいく様子、また乗客のウキウキした気持ちを表しているかのような、爽やかで明るい音楽です。
途中で現れるティンパニやバスドラムを効かせた勇ましいメロディーの中間部は、列車が勾配のある線路を力を振り絞りながら登っていき、その後に訪れるロマンティックな旋律は、陽が落ち、乗客が郷愁に浸っている姿が思い浮かびます。
短い緊迫感のあるシーンを挟んで、再び明るく爽やかなメインメロディーが登場し、汽車は順調に終点へ向けて快走していきます。
最後は徐々にスピードを落とし、ホイッスルや汽笛の音とともに列車がベネチアの駅に到着し、大きな警笛とともに豪華列車の旅が終わります。

演奏：コンセール・リベルテ・オルケストル・ドゥアルモニー
指揮：渡辺 俊久（団員指揮者）
第20回定期演奏会
2024年5月5日(日)　練馬文化センター 大ホール

Le Concert Liberté Orchestre d’Harmonie
The 20th Regular Concert -2024

リベルテ公式サイト　https://concertliberte.wixsite.com/2001