【ルート解説】最短コースで登る乗鞍岳 ~日本一手軽に登れる3000m峰~ バスを利用し1時間半で登頂 Course Guide of Mt.Norikura

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2023年8月19日、北アルプス南端に位置する百名山「乗鞍岳(3026m)」に登りました。乗鞍岳は日本に21座ある3000m峰で最も登りやすい山と言われています。それは、麓からバスで標高2700mまで上がることができ、最高峰「剣ヶ峰」だけならば3時間程のコースタイムで往復できるからです。
今回は、午後から天気が崩れる予報だったため、始発のバスを使って早い時間帯に剣ヶ峰へ登り、そのあとに他のピークを経由しながら高山植物を楽しむ計画を立てました。


【チャプターリスト】
0:00 オープニング・駐車場へのアクセス
1:35 シャトルバス
3:33 畳平~肩ノ小屋
9:23 肩ノ小屋~剣ヶ峰
15:33 剣ヶ峰~富士見岳
19:00 大黒岳~畳平
22:21 高山植物・魔王岳・エンディング


【登山口までのアクセス】
中央高速を松本ICで下り、長野県松本から岐阜県高山へ抜ける国道158号を西に走ります。松本市街から新島々駅、道の駅風穴の里、奈川渡ダムを通過し、信号「前川渡」を乗鞍高原方面へ左折。県道84号を道なりに15分ほど走ると、バスへ乗り換える「乗鞍高原第1駐車場」へ到着します。松本ICからはおよそ1時間程の道のりです。


【駐車場情報】
①乗鞍高原第1駐車場
無料 200台駐車可 道の向かいにも90台停められる駐車場あり トイレ、自販機、携帯電波、カフェ、バスのチケット売り場、バス停あり。近隣にお土産物屋や日帰り温泉「湯けむり館」あり 車中泊禁止 

②乗鞍高原第2駐車場
無料 70台駐車可 トイレなどは第1駐車場を利用(歩いてすぐ) 第1が満車の時に利用するとよい。

③三本滝駐車場
バスを利用せず登る場合におすすめ 乗鞍エコーラインの規制ゲート手前にあり、ここまでマイカーで来られる 無料 100台 トイレ、売店あり 三本滝への散策にも利用可 シャトルバスのバス停があり、ここから乗車することもできる(途中乗車用の席は確保されている様子)


【シャトルバス情報】
山頂部の「畳平」への道はマイカー規制が行われているため、バスに乗り換える必要があります。岐阜側と長野側からそれぞれバスが出ていますが、岐阜側の乗鞍スカイラインは、2022年の土砂崩れにより全面通行止めのため、2023年現在は運行していません。

乗鞍高原観光センター~畳平間を運行(所要時間50分) 大人往復3400円 時刻表は時期と天候によって変わる 大型の観光バスが数台稼働するため乗り切れないことはほぼなさそう。乗車券も乗車前に買えるので慌てて並ぶ必要なし。往復で購入した場合、復路の券をなくさないよう注意
https://www.alpico.co.jp/traffic/loca...
晴れの日と雨の日でダイヤが変わるが、↓のHPで前日正午に発表される。始発・最終便の時刻も掲載されるので便利
https://www.alpico.co.jp/traffic/traf...


【ルート概要】
①畳平~肩ノ小屋(CT:40分)
バスが到着した畳平は日本一高い所にあるバスターミナル。とても広いバス停の周辺には食堂や売店、無料のトイレ、宿泊施設などがあります。
畳平の脇にある鶴ヶ池の右手の砂利道を回り込むように進むと、バスで通った車道と交わる「県境広場」に出ます。この付近は大黒岳や富士見岳、そして剣ヶ峰への分岐になっています。そして、さっそく絶景が広がります。八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスなどを眺めることができます。
他のピークは後回しにして、まずは剣ヶ峰を目指します。鶴ヶ池の向こうに見える槍ヶ岳、足元の不消ヶ池などを見ながら、富士見岳の山腹を巻くように続く砂利道を進みます。少し歩くとすぐに富士見岳へ登る道や摩利支天岳の山頂にある東京大学宇宙線研究所への道が分岐します。
分岐を直進し、正面に剣ヶ峰を見ながら摩利支天岳の南側を横切る道を歩くと肩ノ小屋に到着します。ここまでは車も通る砂利舗装の道で、登山靴でなくても歩ける区間です。
肩ノ小屋は宿泊もでき、食事や売店なども充実しています。また、とても新しい無料の公衆トイレがあります。

②肩ノ小屋~剣ヶ峰(CT:50分)
肩ノ小屋からがいよいよ登山道の開始。山頂まで急傾斜を標高差250mほど登ります。登山道はロープで区切られており迷うことはなさそうです。
標高差200m近い岩場の斜面を登り続けると、朝日岳と蚕玉岳の間のコルに飛び出し、前方の視界が開けます。剣ヶ峰、大日岳、屏風岳の3つのピークに抱かれた権現池と、その先に広がる岐阜の町と山々、その先には堂々とした白山の姿も認められます。
蚕玉岳を乗り越え、少しの間平坦な稜線を歩くと、いよいよ剣ヶ峰への最後の登りが始まります。登り始めに分岐があり、右は山頂の鳥居を目指して直登するルート、左は頂上小屋を回って登るルートです。どちらからでも登れますが、比較的登りやすい左ルートをお勧めします。
岩がゴロゴロした急登を50mほど登ると剣ヶ峰山頂に到着します。山頂からはこれまで歩いた道の向こうに北アルプスの山々、西に白山、南に御嶽山や中央アルプス、東に南アルプスや八ヶ岳など、360度の展望が楽しめます。神主さんがいる神社もあります。山頂はとても狭いので登山者が多い場合は休憩には適しません。

③剣ヶ峰~富士見岳~大黒岳(CT:1時間35分)
剣ヶ峰から富士見岳への分岐までは来た道を戻ります。そのまま来た道を畳平まで戻ればすぐに帰ることもできますが、今回は色々なピークを回ることにしました。まずは富士見岳へ。先程の分岐から右に登る道を進みます。高山植物の女王「コマクサ」が群生した斜面を10分ほど登れば富士見岳山頂です。東側の山々や上から眺める畳平が楽しめる山頂です。
富士見岳から15分ほど下って県境広場に戻り、車道を横断してよく整備された階段を15分ほど登ると大黒岳山頂です。大黒岳山頂には頑丈そうな休憩所があります。ほとんどの方は山頂から来た道で畳平に戻るようですが、今回はさらに先へ進むことにしました。山頂からさらに進むと一面ハイマツに覆われた道になります。晴れていれば正面に槍穂高の姿を見ながら下ることができる区間です。そんな道を20分ほど下ると現在閉鎖中の乗鞍スカイラインに飛び出します。そこからは15分ほど車道を歩いて畳平に戻ります。
舗装された2車線の車道ですが、道端には驚くほどたくさんの高山植物が生えていて飽きることなく歩くことができます。

④畳平~魔王岳~畳平(CT:25分)
帰りのバスの時刻を意識していなかったため、畳平到着と同時に数台のバスが走り去っていきました。バスの発車は定刻通りであり、人が集まったら順次発車するスタイルではありません。次のバスまで1時間待つことになってしまったので、畳平のすぐ横にある魔王岳に登ってみることにしました。
このような形で登る方が多いようで、道はとてもよく整備されていて登りやすい山です。ただし、山頂直下は岩場になっているので多少注意が必要です。魔王岳からは小さな亀ヶ池とそのすぐ隣にある恵比須岳、これまで歩いた山々を見渡すことができます。


【感想】
バスを使って気軽に登れる3000m峰の乗鞍岳。北・南・中央アルプスや御嶽山、白山、八ヶ岳など、日本中部の主要な山々が見渡せる絶景の山です。また、コマクサを始めとした多様な高山植物が咲き誇る花の名山でもあります。運が良ければ雷鳥に出会うこともあります。
このような高山ならではの素晴らしい経験が、こんなに気軽にできてしまう山はなかなかありません。初心者の方にもおすすめできる山です。

今回も、周りの山が見渡せたのは朝のうちだけ。8時台にはガスが湧き始め、すぐに展望がほぼゼロになってしまいました。早い時間帯に眺めを楽しみ、ガスが湧いても楽しめる花の観賞は後に回すよう計画を立てることをお勧めします。


【BGM】
Song1 : from hotaru sounds(http://www.hotarusounds.com)
Song2 : Blizzards - Riot(YouTube Audio Library)
Song3,4,5,7 : from MATSU(   / matsu_ma2sound  )
Song6 : Kevin Graham - Breaking Through(Vlog No Copyright Music)
Song8 : Green Forest - Riot(YouTube Audio Library)
Song9 : Roman Müller - Easy Life (Vlog No Copyright Music)


【YAMAP活動記録】
https://yamap.com/activities/26213121


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