【都知事選】3候補の「少子化」公約 無痛分娩・格差解消・過密の調整…期待できるのは? 「防災」もチェック【

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終盤戦に入った7日投開票の東京都知事選挙では、さまざまなテーマで論戦が繰り広げられています。甚大な被害をもたらす首都直下地震のリスクや、深刻な少子化に直面している東京都。「防災」と「少子化」に絞って、主要3候補の公約を比べます。

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そこで今回の#みんなのギモンでは、「都知事選『防災』『少子化』どうする?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●首都直下地震で避難者300万人
●出生率がワースト“0.99ショック”

■選挙戦中盤を分析…主要3候補の情勢は

山崎誠アナウンサー
「7日に投開票を迎える東京都知事選挙。日本テレビが読売新聞と行った世論調査と独自の取材を合わせて、選挙戦中盤の情勢を分析しました」

「現職の小池百合子氏(71)がリードし、前参議院議員の蓮舫氏(56)、広島・安芸高田市の前市長の石丸伸二氏(41)が追いかける展開となっています」

「終盤戦に入った都知事選。都が直面している大きな課題、『防災』と『少子化』の2つに絞って、主な候補者3人の公約を見ていきます」

■東京都の課題「首都直下地震」

山崎アナウンサー
「まずは防災面の現状の課題からです。今東京都が備えなければいけないのが、首都直下地震です。今後30年以内に約70%の確率で起きるとされています。2022年に発表された、最も被害が大きい都の想定によると、死者は6148人、建物被害は19万4431棟です」

森圭介アナウンサー
「東京都で見ると日本の人口の10%以上の1400万人が住んでいるわけですから、ずっと(被害の大きさは)言われていることですが、どれくらいこの被害を抑え込めるかということが今後ポイントになってきますよね」

山崎アナウンサー
「あくまで想定でもありますし、怖さはなってみないと分からない部分もありますから、備えていかなければなりません。被害を少しでも減らすため解消しなければいけない1つが、木造住宅の密集地域です」

■木造住宅密集地域にある災害時のリスク

山崎アナウンサー
「都内には、道幅が両手を広げたほどしかない住宅街もあります。こうした地域は災害時に避難経路を確保しにくい、家同士が近いので火災で延焼しやすいといったリスクがある他、耐震化が進んでいない建物が多いことも課題とされています」

「さらに、地震が起きた際にどこに避難するのかという問題もあります」

斎藤佑樹キャスター
「自分の家の周りの避難所は確認はしていて、防災グッズも持ってはいるんですけれども、最新のものをちゃんとアップデートしていかないといけないなと思っています」

山崎アナウンサー
「定期的な見直しも必要ですし、家族と確認することも大切だと思います。避難所は都の防災マップで確認できます。ただ、想定される最大の避難者数は300万人です。これは東京23区の人口の約3分の1にあたります」

「このうち200万人が避難所に避難するとされていて、避難所の数自体が不足すること、避難所に住民が集中してトイレなどの環境が悪化し、災害関連死が増えること、備蓄の不足などが懸念されています」

■防災どうする? 主要3候補の公約

山崎アナウンサー
「都知事を目指す3人の公約を見ていきます。現職の小池氏が掲げるのは、木造住宅密集地域の解消促進、マンション防災の強化などです」

「マンション防災というのは、自宅が耐震化されたマンションで地震の被害が少ない場合は自宅での避難をしてほしいと、都が進めている防災対策です」

「蓮舫氏は都の良い対策を引き継ぐとしつつ、避難所で使う個室テントの備蓄や安心トイレトレーラーの導入など、ソフト面の充実を訴えています。石丸氏は、燃えにくい種類の木を植える防火樹林帯の整備や、財政調整基金の積み立てなどを掲げています」

鈴江奈々アナウンサー
「いろんな対策が求められていると思いますし、避難者300万人という話もありました。その中には日中、通勤通学などで東京を訪れる方も多くいます」

「そういった方たちが帰宅できなくなる、帰宅困難者は含まれていません。そういった方々が一時滞在する施設すらもまだ足りていないので、本当に課題山積ですよね」

■「1」を切った東京の合計特殊出生率

山崎アナウンサー
「東日本大震災の時、東京都にも大きな揺れが来て、帰宅の足を奪われた方が路上で座り込んでしまったということもありました。避難者とは別で帰宅困難者の問題も山積しています」

「そしてもう1つのポイントが、少子化です。女性1人が生涯に産む子どもの数を表す合計特殊出生率。2023年、全国では1.20と過去最低となりましたが、東京においては0.99と都道府県として初めて1を下回りました」

■主要3候補の少子化対策は?

山崎アナウンサー
「候補者3人は、この課題に対してどのような公約を掲げたのか。複数ある中で、私たちが注目したものを見ていきます。小池氏は無痛分娩(ぶんべん)費用への助成制度など、現在の都の政策をさらに拡充するとしています」

「蓮舫氏は、正規・非正規雇用の格差解消などを打ち出しています。石丸氏は、人口の過密状態の調整を訴えています」

■公約に「無痛分娩への助成」ナゼ?

山崎アナウンサー
「小池氏が打ち出している無痛分娩の助成について。無痛分娩は麻酔で陣痛などの痛みを軽減するもので、厚生労働省によると、普通分娩だと東京都では平均で60万5261円(2022年度)の費用がかかりますが、無痛分娩だとプラス10~20万円ほどかかります」

「小池氏は、体への負担が少ないとされる無痛分娩が広がれば少子化対策につながると考え、費用に対して助成を出すとしています」

森アナウンサー
「現在も出産育児一時金という形で50万円が支給されていますが、それにプラスでということですか?」

山崎アナウンサー
「助成される金額がどうなっていくかは現時点では分かっていません。具体的な金額は示されていません。また無痛分娩には、麻酔による副作用のリスクなどデメリットも指摘されています」

■無痛分娩をめぐる専門家の指摘

山崎アナウンサー
「一方で、無痛分娩をめぐっては専門家から指摘が上がっています。無痛分娩を専門に行う東京マザーズクリニックの林聡医師は、『お産を担当する医師の他に、麻酔の管理をする医師が必要になり、普通分娩よりマンパワーがかかる』と言います」

「神奈川県立保健福祉大学の田辺けい子准教授は『負担費用を軽くしても、対応できる病院や医師が不足しているため、受け皿としての病院側の体制を整えることがまず必要だ』と話しています」

河出奈都美アナウンサー
「助成金が出るとはいえ、そもそも普通分娩でも60万円ほどかかるというのが、私にとっては驚きでした。経済的にも身体的にも妊婦さんの負担が軽くなるのであればいいですし、医療体制も整えていってほしいなと思います」

■「格差解消」や「人口過密の調整」

山崎アナウンサー
「女性のためを思って、ということもあるかもしれませんが、まず受け皿である現場の負担も考えなければいけませんからね。続いて蓮舫氏は、少子化の背景は若者の貧困化だとしています」

「実際に18~34歳の独身の男女を対象にした国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査(2021年)で、1年以内に結婚する場合のハードルは何か尋ねたところ、男性の47.5%、女性の43%が結婚資金でした。金銭面が壁になっているという回答です」

「こうした中、蓮舫氏は公約として若者の所得を増やすことなどを訴えています。そのために、正規雇用と非正規雇用の格差解消に取り組むとしています」

「石丸氏が訴える人口の過密状態の調整とは、例えば都市部に若い女性が集中しているなど、年齢層の偏りが婚姻数の減少につながっているとして、少子化対策として東京の人口集中の状態を修正・調整する必要があるという主張です」

「そのためには都だけでなく、他の自治体と協力して各地域の魅力を高める投資を行っていくべきだと話しています」

■田母神氏は「減税」や「備蓄」を訴え

山崎アナウンサー
「また元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は、少子化対策として若者中心に都民税の減税を、防災対策として水・食料の1週間分の備蓄を、公約の中で訴えています」

■56人が立候補、7日に投開票

山崎アナウンサー
「東京都知事選には合計で56人の方々が立候補しています。投開票日は7日です」
(2024年7月2日放送「news every.」より)

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