元ダンス講師で書店経営も・・・ 直木賞受賞・今村翔吾さんの素顔

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1月19日に発表された第166回芥川賞・直木賞。直木賞には、今村翔吾(いまむら・しょうご)さん(37)の「塞王の楯」(さいおうのたて)が選ばれました。今村さんは元ダンス講師で、現在は書店経営も行う異色の作家。今村さんnews23生出演でその素顔に迫りました。

歴史小説家 今村翔吾さん
「やば、緊張してきた」

1月19日午後6時。ホテルで直木賞の結果を待つ今村さんの携帯電話が鳴りました。

今村さん
「はい、はい。はい・・・」

今村さんは、受賞の知らせに涙をぬぐいました。

電話を切った今村さんが「直木賞受賞しました」と報告すると拍手と歓声が鳴り響きます。

今村さん
「いやぁ。泣くつもりなんか全然なかったけど、何か初めて小説を書いた日のことが思い出されて、もう・・・」

歴史小説家・今村翔吾さん。受賞した『塞王の楯』は、戦国時代の近江・大津城を舞台に、石垣職人と鉄砲職人に焦点をあて、その対決を描いた物語です。他にも直木賞には、米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん(43)の「黒牢城(こくろうじょう)」が、芥川賞には砂川文次(すなかわ・ぶんじ)さん(31)の「ブラックボックス」が選ばれました。
直木賞作家の今村さん、普段は大阪で小さな書店を経営しています。

今村さん
「いらっしゃいませ」

お客さん
「店長さん(がレジを)やられているときに間に合ってよかったです」

今村さん
「あーよかったです」

時間を見つけると、書店の倉庫でも筆を走らせます。

今村さん
「いっぱい連載を抱えているから、自分でも主人公がどいつやったっけって一瞬わからなくなりそうになるけどね。
誰や、本屋をやるとか言い出したのは・・・笑」

抱える連載は、雑誌や新聞など8本。作家を目指した原点は何だったのでしょうか。

本棚から1冊の本を取り出す今村さん。

「これこれ、これ今も残っている。これが小5のときに買ってもらった『真田太平記』」

小さな書店で出会った1冊の本をきっかけに今村さんは歴史小説に没頭しました。

今村さん
「自分がすごく小さい町で団地みたいなところの生まれで、そこの中に1店舗だけ小さい書店があって、そこがなかったら僕ってたぶん作家になってへんかったやろうなっていうのは思って」

しかし「小説家」という夢に向かって走り出したのは、30歳を過ぎてからのことでした。20代は、ダンスのインストラクターとして活動。そのとき、教え子からかけられた一言に今村さんは衝撃を受けました。

今村さん
「『夢を諦めんなよ』みたいなことを僕が言ったんやと思うんですよね。ほんなら向こうから返ってきたのが『翔吾くんも夢を諦めているくせに』って言われたんで、『30歳になってからでも夢は叶うと俺の人生で証明する』って言った」

その後、今村さんは寝る間を惜しんで小説を書き続けました。

作家を目指す原点となった「小さな書店」。今村さんは今、同じような小さな書店を経営しています。50年以上続いたこの書店が廃業の危機にあると知り、経営を引く継ぐことを決めたのです。

今村さん
「ネットでも本は買えるんですけど予期せぬ本との出会いがあるので。この本との出会いというのはリアルの現場の書店じゃないとなかなかないんじゃないかなと」

デビューから5年足らずで直木賞作家にまで駆け上がった今村さん。今も胸にあるのは“子どもたちとの約束”です。

今村さん
「30になってからでも夢は叶うってことを残りの人生で証明するって子どもたちに言って、作家を目指したから。ようやくその嘘をまことに出来たなっていう気持ちが。ああ良かった。なんか安心したかな」

<VTRの後、スタジオの今村さんにインタビュー>

小川キャスター:
受賞直後の熱い涙が印象的でしたが、涙の裏にはどんな思いがあったんですか?

今村さん:
受賞の連絡を受けているときに、教えているときの子どもたちの顔が不思議とボワっと思い浮かんできて、原点を思い出したら泣けてきましたね。

小川キャスター:
こみ上げるものがあったわけですね。
今村さんはダンススクールでインストラクターを経験されて、また遺跡の発掘などもされて、32歳で小説家デビュー。そこから5年足らずで直木賞を受賞と。私同世代なんですけれども、同じ時間軸で生きてきたと思えないぐらいの濃厚な歩みをされていますけれども、これまでの道のりをどのようにご自身で振り返られますか。

今村さん:
小説家になりたいというのは中学生・高校生ぐらいからぼんやり思っていたし、卒業アルバムにも書いていたんだけど何もしてこなかったんですよね。やっぱり「いつかいつかいつか」という感じで先送りしてきたのを、教え子に「諦めてるくせに」と言われたのをきっかけに「本当にそうやな」と思って。だから30歳から今に至るまで、デビューしてから今に至るまでは、本当にまさしく死に物狂いで書いてきたかなという感じですね。必死にやってきたという自負はありますね。

小川キャスター:
1月19日、一つの夢を叶えられたということになりますけれども、今のお話にもありました元教え子の方の言葉が人生の一つのターニングポイントになったと。その教え子の方にはこの受賞の喜びは伝えられたんでしょうか?

今村さん:
現状は何も連絡はしていないんですけど、LINEとかで教え子から連絡が多分70人、80人ぐらい来ていたので、その中にもあったりしているのかなと思いながらここまでバタバタで来ました。

小川キャスター:
どんな言葉をかけたいですか?

今村さん:
その子だけに限ってじゃなくてみんなに「ようやく一つ夢が叶った」と。すべてがどうかとかまでは言うつもりはないんですけど、「できる」ということの一つの実証は僕がやって見せたから、あとは、自分がやりたいと思うことがあるんだったら、そこに向かってやってほしいな、というメッセージは伝えたいですね。

国山ハセンキャスター:
メッセージや連絡はどのぐらい届いたんですか?

今村さん:
400通以上来ていましたね。

国山キャスター:
今村さんは本当に多く作品を書かれているかと思います。その作品に対する思いはいかがですか?

今村さん:
結局、歴史小説といっても読むのは現代の人達なので、歴史で変わったこともあるんですけど、人間的にそんなに変わりのないことというのは本当にいっぱいあると思うんです。その変わりのないことをあえて歴史(時代)の舞台に探し求めることによって、よりよく現代の問題点とかが浮かび上がるんじゃないかなというのを僕は常々考えていて、そこに僕の魂みたいなものを乗せて、エンタメとしても面白い小説にしていきたいなというのが僕のスタイルですかね。

小川キャスター:
一方で書店も経営されていると。本の未来にも色々な想いがおありなんじゃないかなと思うんですが。

今村さん:
コロナ禍で人との関わりが制限されている中で、本というのは一つの窓みたいなもので、本で行ったことがない場所にも行けるし、誰かと出会うこともできる。そういう本の大切さというのは、より今こういう時代だからこそ、もう1回再確認されていると思うので、まだまだなくならないし、しぶといもんやと思いますよ。

小川キャスター:
直木賞を受賞されてご自身の未来はどうでしょう?

今村さん:
僕が1か月2か月3か月かけて(書いて)も、読者の方は「1日で読んだ」とか言ってくださるので・・・ありがたいですけど(笑)。少しでも喜んでもらえるようにたくさんより良い作品を出していきたいですね。その繰り返しだと思っています。

小川キャスター:
どんな歩みを重ねていかれるのか見て参りますし、作品も読ませていただきます。今村さん、改めまして本当におめでとうございます!

今村さん:
ありがとうございます!
(19日23:26)

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