課題作文「防犯カメラとプライバシー権」を採点する

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課題作文「防犯カメラとプライバシー権」を採点する
ー パフォーマンス評価の実際 ー
元関西学院大学非常勤講師 倉橋忠

1 「防犯カメラとプライバシー権」の授業実践
(1)単元「地方自治」の終盤に入っている。
(2)この授業に入る前に、情報化社会の特徴と問題点などを学び、現代社会の見方として、対立と合意、(3)効率と公正を学んでいる。
(4)基本的人権(プライバシー権)の学習も既に終えている。
(5)地方自治体の首長と議会の関係も既に学習している。
(6)学習内容を包括できる「投げ込み教材」を準備した。

2 設定した「本時の『教育目標』」
(1)市長の役割を行政の責任者であることを指摘した上で、地方財政の現状をふまえて、自分なりに結論を出し、検討した内容と、その判断をした基準(根拠)を説明することができる。
(2)「プライバシーの権利」についての正確な理解に基づいて自説を展開できること。
(3)市民の意見の対立を調整し、自分なりの回答を出すための、判断するプロセスに、対立と合意、効率と公正の視点を活用できる。

3 「防犯カメラとプライバシー権」の授業展開
(1)導入に、防犯カメラの機能と、その記録データがインターネット通信を通して管理されていることを伝える (一斉指導)。
(2)財政概念や市長の権限を回復指導する(一斉指導)。
(3)プライバシー権については、既習概念を回復指導して共有知を再形成した(一斉指導)。
(4)「パフォーマンス課題」の提示。
(5)グループ学習を展開。
(6)その後、再び一斉指導で学級全体での意見交換。

4 【 パフォーマンス課題 】「もし、自分が市長だったら」
最近は、小学生や中学生をねらう悪質な犯罪や、空き巣などの犯罪が少しずつ増えてきている。そこで、尼崎市内では小学校の通学路に防犯カメラを設置して、犯罪の増加をおさえて欲しいという要望が市長室に多く入ってきている。
もし君が、市長だったら、この要望をどうするか。市内の小学校の通学路に防犯カメラを設置するか。するとすれば、どのようなことに気をつけなければならないのか。
結論を明確に書いて、その結論を選んだ理由を書きなさい。

5 ルーブリックで作文を評価する
(1)簡易型ルーブリックで「作文」を評価する
(2)「論点の指摘」と「考え方の記述」を一対として、評価項目にすることで、「考えたことの証拠の量」の測定が可能になる。
(3)現実社会では「問題」から「論点を抽出」することが問題解決の端緒であり、論点の解決策を模索する過程が「考え・判断する」ことだからである。
(4)「論点の指摘」を軸に考え、評価指標を論点単位に独立させ、評価項目を論点内容に即して記述し、ルーブリックを作成する。

6 知識事項の説明と関係性の説明の評価基準

7 「作文」の採点にかける時間
1枚あたり5分~7分程度が目安。
5学級担当している場合は、200人分×5分=1,000分(16.7時間)必要。
通常は、試験後翌日には採点して返却する(フィードバックの速度が学習効果の生命線)。
学校では他の業務も、教員は同時進行で処理している。
かなりのスピードを上げて、採点する必要がある。

8 簡易型ルーブリックの実際
(1)自分の結論を書くことができている。
(2)対立している内容の説明ができている(対立)。
(3)防犯カメラ設置のメリットとデメリットを説明できている(効率)。
(4)設置する場合と、設置しない場合のどちらが、市民の基本的人権を守れるようになるのかを検討している(合意)。
(5)防犯カメラを設置することについての問題点に、自分なりの結論を出した根拠(理由)を筋道を通して説明できている(公正な思考・判断)。
(6)各論点につき2点。採点は、加点法をとる。
(7)上の論点以外を指摘して記述する場合も加点する。ただし、論理矛盾をおこしている記述は-2点。そのため、論理矛盾があれば、それに関する記述はすべて相殺(差引きして帳消しにすること)されて0点になる。

9 作文を実際に採点してみよう
採点結果と採点根拠をメモしておこう

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