ＪＲ留萌線をシミュレータソフトに 制作の舞台裏

３月末ラストランを迎えたＪＲ留萌線。
１００年以上の歴史がある路線をシミュレータソフトで未来に残そうというプロジェクトが動きはじめています。
制作の舞台裏に独占密着です。
依田アナウンサー
「お客さんを乗せた最終列車が動き始めました」

３月３１日、多くの人に見守られながらラストランを迎えたＪＲ留萌線の留萌・石狩沼田間。
１００年以上にわたり、北海道の発展を支えた鉄路は風光明媚な沿線風景も魅力の一つでした。

この路線を未来に残したいと立ち上がったのは、向谷実さんです。
大の鉄道好きで、８０年代に一時代を築いたバンド「カシオペア」の元キーボード奏者です。

向谷実さん
「留萌本線に、若いころ中学くらいからすごく珍しい蒸気機関車があってよく訪ねていた。
思い出の路線が留萌まで行かなくなるので、何か形に残せないかなと」

会社経営者でもある向谷さんは、世界で初めてＣＧではなく実際の映像を使った鉄道運転シミュレータソフトを製品として開発しました。

実際にソフトを動かした依田アナ「とにかく臨場感たっぷりで音も車内放送も本物を使ってますね！」

向谷さんは、思い出の留萌線の鉄路をシミュレータソフトとして残したいと、ＪＲ東日本とＪＲ北海道に持ちかけたところ全面協力してもらえることに。

３月中旬、留萌線を走っている車両を貸し切り、２日間にわたってソフトに使う音や映像の収録が行われました。

向谷さんの指示のもと実際の運転士が操作しブレーキ音やギアのレベルによって異なるエンジン音を１つ１つ録音していきます。

ソフトでは運転席のメーター類など細かな部分も再現するためカメラのアングルも様々です。


向谷実さん
「引きの計器類ＯＫアップの計器類ＯＫメインカメラもＯＫです！」

６時間ほどかけて初日の作業は終了。

翌日は、実際に車両を線路で走らせての収録です。
向谷実さん「対向列車きた？これ使えるね」
勾配を上るエンジンの唸りそして金属の軋む音全てが大事な「音源」です。

向谷実さん
「鉄道は廃止になっても多くの人の心に残るものなので形として残すことでそうだよねというものをリアルな形で感じてもらえる」


留萌線のシミュレータソフトは廃止となった区間を含む深川・留萌間が再現され「ＪＲ東日本トレインシミュレータ」のサイトで来年３月下旬に配信される予定です。

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