【佐藤 実 理事】Part2:耐震等級の根拠と地盤調査の重要性〜熊本地震から紐解く〜

Описание к видео 【佐藤 実 理事】Part2:耐震等級の根拠と地盤調査の重要性〜熊本地震から紐解く〜

▼地域微動探査協会ホームページはコチラ
https://jmsc.or.jp/

【プロフィール】
佐藤実 ㈱M’s構造設計 代表取締役/構造塾 塾長
一級建築士、構造設計一級建築士 専門は、木質構造建築物の構造計画・構造計算

工務店を経て、2006年5月 ㈱M’s構造設計を設立、2010年1月「構造塾」を設立し、木質構造に関するセミナーや構造計算技術者育成を行っている
2019年2月現在、構造塾は全国26会場、塾生は1,500社
著書に、「最高に楽しい木構造入門」、「楽しく分かる!木構造入門」がある

<活動>
2016年熊本地震では益城町に20回以上現地調査や倒壊建物の解体調査を行う。その他、地震被害調査を各地で行う。日本中の木造住宅が地震倒壊しないことを目指し構造塾を及び各種セミナーな講演を年間200回以上開催し、耐震性能の重要性を伝え続けている。

<メディア実績>
構造、耐震の専門家として、テレビ等出演の他、新聞、雑誌の取材対応、掲載、多数。
現在は日経ホームビルダー、プレカットユーザーでの連載、新建ハウジングのチカラボβ、YKKAPのA-PLUG、ディトレーディングHPなどで執筆。

<字幕>
微動探査の結果で出てきた地盤の揺れ方、いわゆる増幅率が見えてきた時に、その増幅する具合と、あとは建物の耐震性能による建物の揺れ方、そこを整合性と言っておりますが、どうずらすかの問題は、地盤の揺れる時の揺れる周期と建物の柔らかさによる揺れる周期と、これがぴったりと合ってくると共振と言って、建物は非常に揺れ方が増えてくるのです。

これを避けることが非常に大事で、その共振を避けることによって建物と地盤がいくら多く揺れても、建物の揺れ方が(地盤のそれと)違えば地震に耐えてくるので、そこをどう設計の中に盛り込むかです。そこがメインになります。

建物と言うとどうしても耐震性能を考えた時には耐力壁の量などでどれだけ建物を固く造るかというところがメインになってくるのですが、その耐震性能と言うと定めてられている耐震等級1と建築基準法の1.25倍の耐震等級2と、1.5倍の耐震性能耐震等級3がありますがそこの差ですね。そこの使い分けというのが実はあまり明確ではないのです。建築建築基準法では耐震等級1が最低基準ですから、建築建築基準法の耐震等級1でいいという設計者もいれば、やはりより安全な耐震等級3、1.5倍まで耐震性能を求める設計者もいて、ここは本当にばらついています。

その明確な根拠が見えず、設計者判断に委ねられておりますが、そこが実は微動探査をやることにより地盤の軟らかさが見えてきたら、耐震等級3にする意味が出るという事です。具体的に言うと耐震等級3というのは耐力壁などしっかり造れた建物ですから、非常に固くなって揺れ方が減ってくるのです。周期、建物がゆっくり揺れるよりは小さく小刻みに揺れてくるのです。それと地盤が弱いところは、地盤がゆっくりと地震力を増幅させて揺れますから、明らかにゆっくり揺れる地盤と固く小さくする建物は揺れ方が違ってくるので共振しなくなるのです。よって耐震等級3を造る意味が明確に出てきます。

意外と勘違いされるのは逆のパターン、地盤が硬いのであれば逆に硬くていい地盤であれば建物の耐震性能を上げずに耐震性能を低くして、柔らかく揺れた方が共振しなくていいのでは、という考えがあるんですけど、それはまた別の話で、地盤が固くて揺れが少ないというのはそもそも地震力が増幅しないので、そこに建物も固い建物を造ったとしてもあの大きい共振は出てきませんので、やはり耐震性能を上げる事は必須になってくるのです。よってその辺りの整合設計を明確にしていく事が私の一番のピーク及び、(社団法人の)構造委員会の一番の目的だと思っています。

では、耐震等級3の意味ですね。ここについてですけど、実は耐震等級3というのは2000年の品確法、「住宅の品質促進等に関する法律」の中の性能表示制度の中の耐震等級という考え方の中に建築基準法の1.5倍の耐震性能として耐震等級3というのが出てきました。
これが実は建築基準法の中の耐震等級1に比べて1.5倍の耐震性能ですから、より性能の高い設計を設計者が求めた場合には行うということがメインで言われました。ところが、あの熊本地震で非常に明確なところがいくつかありました。

熊本地震で一つ問題というか明確になったのは、実は震度7という地震は一度しか来ないと言われたのが熊本地震では二度来たのです。4月14日と16日と、震度7が二回来て繰り返して来るという事がまず解かってきました。その結果見えてきた事が、実は耐震等級3の有益性です。耐震等級3の建物が耐震等級1や2と何が大きく違うかというと、実は耐震等級1という建物の一番の目的は何かと言うと、大地震に対しては倒壊防止なのです。そこが目的なのです。分かりやすく言うと、震度7クラスの大地震が来た時にはまず命を守る国民の命を守る、住んでいる人の命を守るということがメインで建物は損傷する。損傷防止じゃなくて倒壊防止ですから、損傷はするのです。分かりやすく言うと、震度7という地震が来た時に、耐震等級1,2の建物は傾いたりしますが一度だけ耐えるのです。そして国民の命を守る事と、住んでいる人が逃げる時間を作るというだけなのです。

それで、その後震度7がもう一度来たり、または余震でもそうですけど震度7がもう一度来れば、まず建物はほぼ倒壊します。倒壊防止というのを一度だけしっかりと確保して命を守るという目的は達成したので、これが耐震等級1、2の結果が見えて来ますね。

耐震等級3がどうかと言えば、実はこれは明確に謳われているわけではないですけど、やはり震度7という地震に対しても損傷防止の効果が現れたのが熊本の地震だったのです。震度7が二回来た時にその二回の地震に耐震等級3はしっかり耐えて、そして住み続けられる事が解かってきました。

これは、(熊本地震の震源の)益城町の中の一部を、建築学会が悉皆調査と言って全棟調査をした結果、その学会が調査した益城町の範囲の中に耐震等級3の建物が全16棟あったのです。その16棟の内の2棟は少し損傷しましたが、それは骨組みである耐震性能が落ちるわけではなくて、耐震性能は確保したまま損傷しており、補修しました。14棟は無被害で、16棟の耐震等級3の建物は、全家族が住み続けるという結果が出たので、この熊本地震で解かった事は、耐震等級3を造る事によって、大地震が繰り返し来ても住み続ける事できるという事が明確に解かってきました。これが耐震等級3の一番の有効な部分です。

実際に、住んでいる方の気持ちになったらどうかといえば、実は地震の被害を見ると分かるのですが、確かに命を守っても家がなくなる、傾いてもう家がなくなるということに対して住んでいる方はなかなか理解しづらいのです。それも築年数が浅い建物がそういう状況になれば、確かに命は守れたけれど財産はなくなってしまうのです。国民の生命、健康、財産という建築基準法第1条の目的の財産がなくなってしまうということの目的を果たせていないのです。建築基準法が結局そのままでいいかという話になってくる。そうするとやはり国民の皆様方は、ローンを残しつつ もう家がなくなって、マイホームを持てないという事にもなってきますので、やはりそれを考えた時には、耐震等級3を造って、住み続けられるという建物が絶対的に有効だということが熊本地震で解かった事です。だから私は耐震等級3を今はどんどん進めている、それを推奨しているという立場にいると思います。

Комментарии

Информация по комментариям в разработке