大地震が来たら・・・“思わずやっている”その行動に潜むキケン【news23】

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テレビを見ているこの瞬間、そして寝ている時にもし大地震が起きたら、あなたは正しい行動で命を守ることが出来ますか?私たちがとっさにしてしまう行動にはたくさんの危険がひそんでいました。

■去年10月、首都圏で起きた震度5強地震 あなたは覚えていますか?

2021年10月7日午後10時41分ごろ、首都圏で発生した震度5強の地震。

そのとき、あなたはどんな行動をとりましたか?

15歳女子学生
「湯舟に浸かっていてそのとき。あがってとりあえずでっかい声出した」

2児の母親・30代
「動けなくて、まずこどもたち守らなくちゃいけないと思って。覆いかぶさってるだけでした」

50歳男性
「咄嗟に3.11を思い出したけど、あそこまでの地震にならないでしょうって勝手に思って、特に何もしなかった」

30代女性
「パニックになるほうが先かもしれない」

43歳男性
「間違った行動をしてしまっちゃうかもしれないですね」

間違った行動。地震の時、あなたが思わずやっている行動には実は、とんでもない危険が潜んでいるのです。

■大地震が発生したら、あなたはこんな行動をしていませんか?

▼揺れを確認しようと天井の電気を見る
▼揺れで倒れそうなテレビや家具を押さえる
▼出口を確保するために窓を開ける

いかがですか?

思わずやってしまいがちな3つの行動、実は“絶対にダメ”。こう話すのは危機管理アドバイザーの国崎信江さん。女性や生活者の視点で20年以上防災を研究しています。

そんな防災のプロ、国崎さんが大地震のときにやってはいけないという3つの行動、その理由とは・・・

▼大地震のときに天井の電気を見上げる:激しい揺れで電気が割れガラス片などが目に入ってしまう危険が。

▼揺れている際に窓を開ける:窓ガラスが割れてけがをするリスクが。さらにロックを解除することで窓が動きやすくなり危険が増すだけなのです。

なかでも一番ダメなのが・・・

危機管理アドバイザー 国崎信江さん
「薄型(テレビ)は特に激しく揺さぶられるので、押さえに行く傾向があるんですよね。人ってどうしても激しく動いているものに反応するので、ついそっちにいっちゃうんです」

つい▼テレビや家具などを押さえてしまう、これは最も危険な行動。

危機管理アドバイザー 国崎さん
「命を脅かす危険度は本当に高い。押しつぶされたり挟まれたりすることで、命を失ってしまうかもしれないので、(テレビや家具からは)すぐに離れるということが大事です」

■テレビや家具を押さえることがいかに危険なのかを検証 見えてきた危険とは?

神奈川歯科大学の板宮教授が開発した地震VRで、その危険性を実感してみます。

国山キャスター
「今わたしがいるのはキッチンですね」

VRを通して、向こうに見えるのはリビング。ぐるりと後ろを向けば冷蔵庫や食器棚がある空間です。ここで直下型の震度6強の揺れをバーチャル体験します。

国山キャスター
「揺れ始めましたね。あー、揺れてる!家具やテレビも倒れてしまって上からも、あー!(皿が落ちてくる)食器棚が私の方に倒れてきています。ソファがもう飛ばされてますね」

震度6強の直下型地震では、固定していないすべての家具が「凶器」と化すのです。

神奈川歯科大学 板宮朋基教授
「地震の恐怖というのは、特に日本の場合、狭くて家具がいっぱいありますので。家具や重たいものが倒れてくるリスクがある。そのリスクをVRでこそ実感できる」

国山キャスター
「今、防災への意識がものすごく高まっています。家の中の家具をすぐにでも固定したいです」

■家庭内避難はどこがいいのか その答えは「廊下」?

地震の際は倒れたり飛んで来たりするものがない場所に逃げるのが絶対条件。そのための備えとして必要なのが、“安全な場所を作っておく”ことです。

国山キャスター
「昔から習いますよね、机の下に隠れてっていうのは」

危機管理アドバイザー 国崎さん
「固定されていなければテーブルだってどう動くかわからない。なので、我が家は身を守るためには何も置いていない空間ってことで、廊下に避難しようと決めています」

比較的家具などが少ない廊下は避難するのに最適。なので、普段から廊下には極力ものを置かないことが重要だと言います。

あなたの家の廊下は今どんな状態ですか?

ちなみに、トイレに避難するとドアが開かなくなって閉じ込められることも。なので国崎さん宅のトイレにはある仕掛けが。

国山キャスター
「あ、上にスライドできますね」

万が一地震で閉じ込められても脱出できる非常口がついている特注のドア。

危機管理アドバイザー 国崎さん
「マンションは絶対つけたほうがいい。戸建てと違って非常に声が外に届きにくいので」

■寝ているとき大地震が起きたらすべき行動

夜寝ているときに震度7の地震。その状況を体験できる施設があります。

国山キャスター
「地震地震地震、まずいまずい!」

なんとか枕で頭を守ろうとするも・・・

国山キャスター
「うわあー!」
「これだけ上下左右に激しく動くとどう行動していいのかわからなかったです。パニックになりますね」

就寝中に大地震が起きたら、まずすべきことについて、専門家はこう話します。

池袋防災館インストラクター 柴森明彦さん
「枕を頭に、それから布団で体を守ることが大事なんです」

■就寝時の大地震、やってはいけない2つの行動

危険なものから離れ、枕や布団で体を守りつつ揺れが収まるのを待つのが鉄則ですが、あなたはこんな行動をしていませんか?

▼あわてて電気をつけに行く
▼別の部屋で寝ている子どもに呼びかける

子どもの安否は確かに気になります、でもこれ絶対NGなんです。

▼暗い中あわてて電気をつけに行くと・・・落下物を踏むなどけがにつながる危険が。暗闇に目が慣れるまでは身を守り、むやみに動かないことが重要です。

▼子どもに呼びかけるのも、危険な行動です。

危機管理アドバイザー 国崎さん
「自分もあわてていて、〇〇ちゃん!など名前だけ呼んでしまうと、結局子どもは“呼ばれている”と思ってしまう。そこが一番安全かもしれないのに、危険な所へ行ってしまう恐れがある」

ただまったく声をかけてはダメということではありません。

危機管理アドバイザー 国崎さん
「具体的に指示を出してあげるんです。そこにいなさい、なのかこっちに来てなのか。どう呼びかけるのか日ごろからイメージしておかないと。子ども部屋が安全だからそこにいて、って言おうとかっていうように考えておいた方がいいですね」

大地震では停電も発生します。そのための備えとして必要なのが、普段から明かりを確保しておくことです。

たとえばコンセントに差すタイプの足元灯。停電時にはコンセントから外せば懐中電灯としてつかえるものもあります。さらに国崎さんの家にあるのは、一見普通の照明ですが・・・

危機管理アドバイザー 国崎さん
「停電を感知したらすぐにまた電気がつくんです」

中に蓄電機能が備わっていて、地震で停電が発生しても自動で点灯。そのまま最大で20時間照らし続けるというものです。

今後30年以内に約70%の確率で発生すると言われている、「首都直下地震」。これはこのあとすぐかもしれません。

そのとき、今のあなたは命を守る行動がとれますか?

■とっさの行動を間違えないために 日ごろから防災意識を

国山キャスター:
映像で紹介しました大地震のときにやってはいけない行動、5つまとめてみました。小川さんいかがでしょうか。

小川彩佳キャスター:
これ全部やってしまうな、と感じてしまいました。特に電気を見上げる、これスタジオで実際地震が発生したときも照明を見上げて揺れの大きさを確認しますよね。
やってしまいがちですし、寝ているときに地震が起きたら冷静じゃいられないので、どちらもやってしまうなと思いました。

国山キャスター:
子どもの名前を呼んでしまうということもあると思いますが、「具体的な指示を出す」というのが大切になってきます。
そして家の中の避難場所として、ものが少ない廊下が最適という話ありましたが、廊下にスペースが取れない場合、家のどこかに倒れてくるものがない安全な場所を事前に作っておく、これが大切になります。映像にもありましたが、家具は凶器になります。飛んでくる危険性がありますので、こうした備えが身を守ることにつながるということですね。

小川キャスター:
とっさの行動を間違えないようにするためには日ごろの意識の積み重ねが大切になってきますね。

国山キャスター:
私も「安全な場所」を家で作ってみましたけど、意識を持ち続ける、これだけでも大きな差になると思うんです

小川キャスター:
この瞬間に地震が起きてもおかしくないわけですから、みなさんもぜひ実践、点検、お願いいたします。
(10日00:09)

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