Holy Blood ～闘いの血統～ 聖飢魔Ⅱ SEIKIMA II

原点回帰を標榜する、大教典版「ザ・サタン・オール・スターズ」とも呼べる本作の、いよいよ〆を
飾るナンバーです。マッシヴでヒロイック、メロディアスでテクニカル。如何にも正統派のメタル
ナンバーを目指して創った事が窺える曲調です。月刊誌ヤングギターのインタビューで、「メフィスト～
は闘うアニメの主題歌みたいなの目指したんだよね。熱いアニソン的な。」と参謀が言われてたのですが、
正にこの曲の事を指してるんだろうと思える様な出来映えなんですよね。
ギターのリフの「ジャンジャカジャンジャカ」と云うリズムは”EL・DO・RA・DO”と全く同じ譜割りで、
やはり原点回帰の思想を以て創作に臨んだ事を強く窺えます。聖Ⅱデビュー当時、巷間ではアニメ
「北斗の拳」が大流行していました。リアル中坊だった私も当時「何で聖Ⅱが主題歌歌わねえんだよ、
ぴったりじゃねえか。」と観ながら不満を抱いていたのですがやはりご自身もそういうのに向いてると
自覚されてた様で、あちこちのテレビ番組で「北斗の拳なんて我々にぴったりなのに何故（依頼が）
来ないのだ！」「勇ましくゆったりした歌メロが好きなのだ」と度々仰ってた閣下の姿を幾度となく
観掛けました。そういう長年の鬱屈したエネルギーを形にしたナンバーの様に思えます。

作詞　Sgt.ルーク篁Ⅲ世参謀
作曲　Sgt.ルーク篁Ⅲ世参謀

再びソングライティングの才を発揮されている参謀です。最早このバンドの中核を担う存在と言える
のでは無いでしょうか。参謀のミュージシャンとしての成長が聖Ⅱ現役時代のもう一つのテーマだった
とも思える今現在。参謀の描く詞は、閣下のモノと比べてより繊細で儚さの様な匂いを感じます。
たまに描くから、という事で、恐る恐る普段隠してる自己を表してるというか。それが堪らなく繊細で
読んでて聴いててドキドキしたりするんですが。そこが又面白いんですよね。
対照的に、力強く雄弁なギターソロが又堪らない。文句なしにかっこいいメタルチューンです。