「空気が読めすぎて何でも苦痛に・・・」それは感覚が敏感な「HSC」かも?現代社会で5人に1人

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HSC(Highly Sensitive Child)は音や光、他人の感情などに対し生まれつき敏感で繊細な感覚や感受性を持った子供のことをいいます。「HSC」は病気ではなく、生まれ持った「特性」や「気質」と言われていますが中には不安などによって学校に行けなくなる子供も少なくありません。

福岡県行橋市に住む北田晃太郎さん(15)は、そんな「HSC」の特徴に悩まされ、中学生の途中から学校に通うことができなくなりました。

北田晃太郎くん「実際に見られて無くても大勢の中にいたりすると、見られているんじゃないかとか、車の音が気になって眠れないとか。真っ白いノートがあるじゃないですか、あれをずっと見ていると目が痛くなっちゃったりとか、蛍光灯とかを見てるとあんまり白い光だったりすると疲れて来ちゃうとか」

HSCは、敏感で繊細、感受性が高いなどの気質を生まれ持つ子供で現代社会では、5人に1人が当てはまると言われています。HSCに詳しい明橋大二医師は、決して病気や障害ではなく周囲の理解や対応が大切だと話します。

真生会富山病院心療内科・明橋大二医師「色々な生まれつきの性格もあると思うがその1人。これは病気とか障害ではなくて、持って生まれた特性」感覚が敏感になる理由については現在も研究が進んでいて、脳の感覚の処理に関わる部分が、他の人よりも活発に働いていることなどが、原因のひとつとして考えられています。晃太郎さんは中学校に入ったころから辛い思いをすることが増えたそうです」

北田晃太郎くん「自分が怒られていないというのはわかってるんですけど先生が怒鳴ったりしたときに、自分も同じようにストレスを感じるじゃないですけど、ちょっときついなと感じた」

そんな晃太郎さんについて母親の麻美さんは、幼い頃から両親の感情に対しても敏感な子供だったと話します。

母・麻美さん「主人とゴルフの打ちっぱなしの練習に行ってるんですけど、主人が晃太郎に行こうと言うと『お父さんが言ってくれた、だから行かないといけない』と捉えてしまう。行きたい気持ちはあるけど、そうすると興奮状態もあるんでしょうけど、起きられなかったらと思い眠れなくなる。色々なことを考えて失敗したらとか起きれなかったとか全部マイナスにイメージがつく」

晃太郎さんは今年の春から通信制の高校で学んでいて、中学時代から通っているフリースクールや自宅で学校から出された課題に取り組んでいます。そんな晃太郎さんが数年前から夢中になっているのがドラムです。フリースクールは、課外活動の一環として、地域の高齢者施設などで演奏会を開いていて、晃太郎さんはドラムを担当しています。

北田晃太郎くん「没頭できるというか、叩いてて楽しいというか。ストレスで考え込んだりしていることは忘れられる」

この日は次の演奏会に向けて話し合いが行われました。フリースクールの中では年長となる晃太郎さん、自分で書記係を買って出ました。

フリースクールの代表である工藤さんは大好きなドラムや演奏会によって晃太郎さんが役割や責任を感じ、積極的な姿勢を見せることが増えたといいます。

フリースクール風の里・工藤幸安主宰「ちっちゃい子もいるんですけどお兄ちゃんたちが面倒みてやったりするんで、晃太郎もそういう面もあるんで私たちが意図するところじゃなくて、自然に面倒みている。一番優しいかもしれないですね」

先出の医師は晃太郎さんのように自分にあった環境や趣味を選んでいくことは、HSCの特徴がある子供にとってとても大切なことだといいます。

真生会富山病院・明橋大二医師「無理矢理合わないところに合わせて自信を失うよりは、自分にあった環境を見つけていくことで、自信を育てていくほうが、将来絶対に良い。過ごしやすい環境にすることが大事」焦らず一歩ずつ前へ。晃太郎さんの心の中でも大人への自立心が芽生え始めています。

北田晃太郎くん「お母さんとか風の里の先生とか相談に乗ってもらう中で、自分を責めなくてもいいか。大人になるのが早くなりましたし、それまでに必要最低限というか、自分がやりたいことに必要なものを身につけたい」

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