時をかけるおじさん/93poetry【ポエトリーリーディング】

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おじさんが俺越しに過去を見ている時
俺はおじさんに未来を見るべきだった

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歌詞
「兄ちゃんたち、今日は何軒目なん」
20代始めの頃友人達としていた夜遊び
居酒屋、隣の席
知らないおじさんがいきなり話しかけてくる事がたまにあった
「一軒目です。なんとなくさっき集まって」
俺がそう答えるとおじさんはすっかり出来上がっていたみたいで
こっちの会話に混ざろうとしてくる
どうやら一人で飲みに来ているようだった
「これはおじさんからの奢り、若いから沢山食べろよ」
そういって勝手に注文された唐揚げ
時間はあったけど金がなかった俺たちは
ヘラヘラ笑いながらお礼を言う
「若い内に遊んでおけよ」
「30過ぎたら時間はあっという間に過ぎていくぞ」
そんなありきたりな言葉から始まるおじさんの話
唐揚げ代くらいは付き合ってやろうと愛想笑い
夢どころか目標もなかったけど
このまま「ちゃんとした」大人になれると思っていた
これまでなんとなく生きてこれたんだから
これからもなんとなく生きていけるだろうと
「俺の若い頃は」ってクソダサい言葉
聞く度に絶対使わないと決意した
おじさんの話を早々に切り上げ
俺たちは飲み直すために店を出た

それから月日は流れ
一人でいる時間が増え
誕生日が来るのが億劫になり
健康診断の結果が雑談のネタになるような
そんなどこにでもいるおじさんになった
「普通」の難しさを知り
周りばかり変わり
あの時居酒屋で絡んできたようなそんな「ちゃんとしていない」
なりたくなかったはずのおじさんの姿が鏡に映っていた

今になってようやく分かったおじさんが奢ってくれた理由
それは申し訳なさや怖さや寂しさからくるもので
自分の話がつまらないなんてそんなの分かった上で
俺たちに昔の自分を重ねていたんだ
おじさんが俺越しに過去を見ている時
俺はおじさんに未来を見るべきだった
おじさんは時をかけてやってきた
くるかもしれない将来の自分自身
居酒屋のカウンター、親戚の集まり、喫煙所
日常に現れるおじさん
分かりづらくて鬱陶しいものばかりだけど
それでも人生の大事な事を教えてくれる
楽しかった思い出や後悔
おじさんは「今」でも「未来」でもなく「過去」に生きる
「若い内に遊んどけよ」という言葉は
おじさんの全てが詰まった言葉だ

「俺の若い頃は」ってクソダサい言葉
いつの間にか使うようになっていた
先の見えた未来を見えないふりをして
今日も背中を丸めて下を見る
いつまでも続くと思っていた青春は
音もなくゆっくりと離れていった
静けさから逃れたいと開ける扉
俺も誰かの時をかけるおじさん

ポエトリーリーディング
boothにてアルバム「ししゅう」発売中
boothリンク→https://93shop.booth.pm/

1 例えばこんなポエムでも読んで Track by Sorabeats
2 遠い命 Track by BLUE CLOVER BEATS
3 思考 Track by J Diva Beats
4 夜を渡るfeat.アメノセイ・桂木なる・小宵 Track by HANEY PATH FRIEND
5 「しん」 Track by Yuki Hata
6 「同じ」 Track by feLmata
7 そんなもん Track by AK BEATZ
8 「ししゅう」 Track by バーチャルねこ
9 「なにか」Remix Track by Sorabeats

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