LIFE~夢のカタチ~ 開店11か月で有名グルメガイドに掲載!!一人前になるには何年もの修業が 必要といわれる職人の世界に新風を巻き起こす鮨職人の夢のカタチ!

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細い路地に様々な店が軒を連ねるグルメ激戦区の大阪市福島区に、今、予約の取りにくい人気の寿司店「鮨 千陽」がある。オープンしてわずか11カ月で「ミシュランガイド」に掲載されたこの店が業界を驚かせたのは、修業歴わずか3カ月で寿司職人になった職人たちが働く店だったから。店長を務めるのは気鋭の女性寿司職人、豊島和恵さん。今回は、豊島さんの仕事を紹介。初めて挑むケータリングのため、生まれ育った高知県宿毛市で新鮮な味を見つけ、目玉となる寿司作りに奮闘する姿を追った。

2014年12月にオープンした「鮨 千陽」は、1階に7席、2階に8席あるカウンターのみのこじんまりしたお店。今ではひと月に800人以上のお客が訪れるという人気の理由のひとつは、オープンしてわずか11カ月で「ミシュランガイド」のビブグルマンに選定されたこと。ビブグルマンとは、星は付かないが、コストパフォーマンスの高い食事を5000円以下で提供する、調査員オススメのレストランを指す。

店長の豊島さんが握るのは、職人の技が光る江戸前寿司。もともとは、東京湾で獲れた魚をネタにしたお寿司のことを江戸前寿司と呼ぶが、素早く、美味しく食べてもらうために、酢でしめたり、ヅケにしたり、タレをサッと塗ったりと、醤油につけずにそのまま食べることができるのも特徴だ。豊島さんは、江戸前の伝統を重んじながらも、時代の味覚や趣向に合った寿司を握る。

「鮨 千陽」が注目されるもう一つの理由は、豊島さんをはじめとする寿司職人たちの経歴だ。一人前になるには何年もの修業が必要だといわれる寿司職人の世界だが、豊島さんたちは寿司職人を養成する学校に3か月通っただけ。その学校とは、大阪市中央卸売市場の近くにある「飲食人大学」だ。豊島さんは3カ月で習得できる寿司マイスター専科を受講し、市場での買い付けや目利き、捌き、握り、立ち居振る舞いまでを学んだ。

豊島さんは2015年1月に「飲食人大学」を卒業し、大学が運営する「鮨 千陽」に就職。そして、昨年の11月に店長に就任した。寿司に合うお酒を探したり、母校を訪れ、後輩たちにアドバイスをしたり、「ミシュランガイド」に掲載されたお店を巡ったりしながら、日々、様々なことを吸収している。

そんな豊島さんに、お店で使っているガラス食器の会社から、ケータリングの依頼が舞い込む。豊島さんにとっては初めてのケータリング。そこで、大阪ではなかなか食べられない食材を探しに、故郷の高知県宿毛市へ。“魚のゆりかご”とも“天然の養殖場”ともいわれるほど魚の種類が豊富な宿毛湾で豊島さんが見つけた新鮮な味、カイワリやオキナヒメジを初めて使って見事なメニューを生み出した。

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