「12分後、20倍に広がった」　ロスの山火事、強風と乾燥で一気に拡大　2000棟以上焼失【もっと知りたい！】【グッド！モーニング】(2025年1月10日)

　アメリカ・カリフォルニア州の火災が広がり続けています。ハリウッドに火の手が迫るなか、悪質なフェイク動画も多く出回っています。

■“破滅的大火災”高級住宅街2000棟被害

　住宅地を取り囲むオレンジの炎。懸命な消火活動が行われていますが、火の勢いは弱まりません。

車を置いて避難する人
「ここから歩くしかありません。おかしいよ。車のすぐそばで火が上がっています！」

　車で家族と避難をしていた男性は渋滞に巻き込まれ、車を置いて着のみ着のまま歩いて避難。他にも、道路には焼け焦げた車が放置されています。

住民
「今は正気の沙汰とは思えない。ロサンゼルス中でこんなことが起こっているなんて信じられません」

　骨組みだけになった家や、黒く炭のようになって倒れている木々。かつての美しい風景からは想像できないほど、街の姿は変わり果てていました。

　山火事の麓のダウンタウン近くのエリアでは、建物も焼け落ちてしまっています。木も倒され、電柱の線も落ちています。車も焼け落ちています。

　地元当局によると、これまでに少なくとも5人が死亡し、2000棟以上の建物が被害を受けたといいます。

　ロサンゼルス史上、最も破壊的と言われる大規模な火災。

ロサンゼルス　バス市長
「この大規模な山火事は、ハリケーン級の強風と極度の乾燥によって引き起こされました。7日の午前に4万平方メートルだった火事は、12分後には20倍に広がりました」

　乾燥した空気や最大瞬間風速およそ27メートルの強風の影響で急速に火事が広がり、被害が拡大しました。

　高級住宅地パシフィック・パリセーズ付近のほか、これまでにロサンゼルス近郊の5カ所で火事が確認され、依然として燃え広がっています。

■燃えるハリウッドサインのフェイク動画も

　映画の都ハリウッドの近くにも火の手が迫っていました。SNSにはこんな投稿がありました。

Xの投稿　※これはフェイク動画です
「“象徴的”なハリウッドサインが火に包まれる」

　まるで映画のように燃えるハリウッドサイン。動画も含め複数投稿されましたが、これらはすべてフェイク。偽造されたものです。

　ハリウッドヒルズ付近で発生した火災は、ハリウッドサインがある場所からおよそ4キロ離れていて、現時点で看板まで火が回っていないことが分かっています。

　海外メディアも偽の画像が出回っていると報道。Xには「表示された画像はAIが生成したものです」と注意喚起のコメントが付いています。

バイデン大統領
「火災を抑え込み、復興を支え、日常の生活に戻れるまで全力で支援するつもりです。道のりは長く、時間もかかるでしょうが」

　公務でカリフォルニア州を訪れていたバイデン大統領は「大規模災害」にあたると宣言し、全力で支援にあたると表明しました。

　大統領就任が迫るトランプ氏はこう述べました。

トランプ次期大統領
「カリフォルニアの山火事はまさに悲劇だ。バイデン政権と州知事の失政といえるだろう」

　心配は今後の再建の費用です。

トランプ次期大統領
「ビバリーヒルズ一帯がほぼ焼野原で、世界有数の高級住宅街も壊滅してしまった。高額納税者の住民がいなくなれば、州の税収だって半減してしまう。どうやら、私たちが再建しなければならないようだ」

　アメリカ国立気象局によると、今後1週間、ロサンゼルス周辺は晴れの予報で、予断を許さない状況が続きます。

（「グッド！モーニング」2025年1月10日放送分より）
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