中国国産ターボシャフトエンジンAES100、着氷試験を通過

中国航空発動機集団は29日、中国が独自に開発したAES100ターボシャフトエンジンが、納入前の着氷試験に成功したと発表した。

AES100は、高効率、長寿命、高信頼性、高出力予備力、優れた拡張性を特徴とする1000キロワット級の民間用先進ターボシャフトエンジンで、中国初の国際競争力と完全に独自の知的財産権を持つ民間機用ターボシャフトエンジンだ。

AES100エンジン1基で離陸重量3～4トンのヘリコプターに十分な揚力を供給でき、AES100エンジン2基で離陸重量5～6トンのヘリコプターに十分な動力を供給できる。

着氷試験とは、特殊な装置で厳しい氷結気象条件をシミュレートし、エンジンの安全性と信頼性を検証するテストだ。

何十ものプロジェクトを評価した結果、研究者はAES100が設計目標と耐空性要件を満たしていると発表した。

＜中国工程院　尹澤勇院士＞
　「航空機エンジンの着氷防止設計と試験能力は、エンジン開発の中核技術であるだけでなく、エンジンの耐空証明を取得するために克服しなければならない重要な技術でもある。中国が初めて航空機全体の着氷試験を完了したことは、航空機エンジンの自主開発を加速させる上で大きな意義がある。今後20年間で、中小型航空機エンジンの需要は1万3000台近くに達し、総額は1300億元（約181億米ドル）を超えると推定されている。中国製エンジンの開発を加速させることは、有人・無人航空機による低高度飛行活動によってもたらされる経済の発展にとって重要な支えとなる」

AES100エンジンはこのあと多くの耐空性試験を完了し、年内には民間航空当局から耐空証明を取得する予定だ。