非常に深刻 消滅の危機にあるアイヌ語 “響き”を知る最後の伝承者

Описание к видео 非常に深刻 消滅の危機にあるアイヌ語 “響き”を知る最後の伝承者

白老町の民族共生象徴空間ウポポイ。アイヌ民族の固有の文化を発信しています。その一角からは流暢なアイヌ語が聞こえてきます。

声の主はアイヌ語の語り部木幡サチ子さん93歳です。木幡さんが育ったのは日高の平取町。アイヌ文化が色濃く残る沙流川の流域です。木幡さんの第一言語は、日本語です。儀式で先祖へ祈りを捧げる時には自然とアイヌ語が出ます。

かつて明治政府はアイヌ民族に対して強制的に同化政策を進めました。その土地を自分の国だと一方的に宣言し、住んでいる人々の土地や言語を奪った歴史が北海道にもあったのです。アイヌ語は使われなくなり2017年、アイヌ民族を対象にした道の調査でアイヌ語で会話ができると答えた人は、わずか0.7%でした。

この日、アイヌ語をじかに聞きたいとアイヌ文化を研究している大学生が木幡さんを訪ねました。
■木幡サチ子さん「アニ アナクネ 貫気別 セコロ アイェ ウシケタ モシリ チョロポクタ カン ルウェ ネ ネヒネ クコロ ルウェ ネ」(私は貫気別と呼ばれるところで山の下に住んでいます)

■アイヌ語を学ぶ慶応大学2年生「研究会で音声を聞くときよりも言葉の一つ一つに重みがあって胸に来るものがありました。感動しました」
■慶応大学4年生「言葉がぬるぬる出てくると言うか、ナチュラルとも違うが、憶えて出てくるというよりは、身体の音楽として歌っているような感じで出てきているんだろなと思った」

木幡さんは幼いころ日常生活の中でアイヌ語を聞いて育ちました。ただ、家族からアイヌ語を教わる機会はありませんでした。

■木幡さん「父親のお母さんはトゥス(アイヌ社会の霊媒)をする人だった。昔、腹が痛いと言ったらすぐに拝んでくれて。いつもばあさんのところによその人も来ていた」「(祖母は)自分がそういうようなことをやっていて自分の息子にはアイヌ語をぜんぜん教えない」Qその時代に子どもにアイヌ語を教えなくなった?「そうなの。いろいろ苦労しました」

木幡さんがどのようにしてアイヌ語を話せるようになったのか。原点となった場所があります。平取町二風谷地区のアイヌ語教室です。週に2回、大人の部と子どもの部に分かれて有志が集まりアイヌ語を学んでいます。1980年代、アイヌ語教室を開いたのは平取町出身でアイヌ民族初の国会議員萱野茂さんです。家庭でアイヌ語を教え合う風習が途絶えた危機感からでした。教室は茂さんの息子、志朗さんが引き継いでいます。

■萱野志朗さん「アイヌ語を話すのではなく日本語を話して、読み書きそろばんをすれば、日本社会に適応できるだろうという親心のもとに教えない」「(茂さんは)アイヌ語を存続させるための防波堤に自分はなるんだと(言っていた)」

木幡さんがこの教室でアイヌ語を学び始めたのは59歳の時。通ううちに子どものころに聞いていた単語や会話の抑揚が次々と思い出されていったといいます。講師を務めるまでに上達しました。

■故・木村いとさん(当時78歳)「あなたはお酒も飲まないでよくヤイサマ(踊り)をあんなに踊れるものだね。私はおかしくて笑いながら見ていましたよ」
■木幡サチ子さん(当時75歳)「私は踊りが大好きなのでいっぱい踊るけど踊ったあと足が痛くなって大変なんだよ」

■受講者「じゃあきょうはこれで先生ありがとうございます」
■木幡さん「お世話になりました。皆さん上手に頑張ってくださってうれしいですよ」

10月27日。木幡さんとの別れは、突然訪れました。93歳。亡くなる直前までアイヌ文化の継承に尽くしました。

■木幡さんの昔からの知人貝澤耕一さん「一般生活の中のアイヌ語はいまはもう記録の中にしか残っていない状態。実際に(アイヌ語を)耳にして生活の中で経験したという人はもういなくなったと思う。木幡さんがいなくなって」
■アイヌ語教室の受講者「とてもとても寂しい。まだ実感がない」「あの年でも学んでいこう、新しいものにチャレンジしていこう姿勢は真似していきたい」

語り部が減りゆく中アイヌ語をいかに後世に伝えていくか。平取町二風谷地区では地域を上げた伝承活動が行われています。小学校の校舎内には日常的に子どもたちがアイヌ語が目に入るように様々なアイヌ語が掲示されています。月に一度のペースで、アイヌ語の授業を開く二風谷小学校。今年、新たな取り組みを始めました。日本語の校歌をアイヌ語に翻訳し、2つの言葉で歌うことにしたのです。

■アイヌ語の校歌「イイェヌチュプチューレ(光まばゆい)、シシリムカ(沙流川の)」
■二風谷小学校・遠山昌志校長「アイヌ語を学習するということで、二風谷の魅力や誇りを理解することは、ここに住む子どもたちの自己肯定感を高めることにつながると思っています。自己肯定感を高めてくれたこの地域の魅力と誇りはきっと子どもたちが世界に発信する力になると感じた」
■6年生「アイヌ語で校歌を歌えたら恰好いいと思います」。
■6年生「もっとアイヌ語を習う人が増えたりして日本語とアイヌ語が同じぐらいになるように」。

多様な文化を認め、尊重しあう社会に向かってー。民族の誇り「言語」を守る取り組みが引き継がれています。

▼HTB北海道ニュース 公式サイト
https://www.htb.co.jp/news/

▼情報・映像提供はこちらから「イチオシ!!動画ポスト」
https://www.htb.co.jp/news/info.html

▼HTB北海道ニュースのSNS
Twitter   / htb_news  
Facebook   / htbnews  
TikTok   / htb_hokkaidonews  
#HTB北海道ニュース #北海道 #ニュース

Комментарии

Информация по комментариям в разработке