京都学派

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京都学派, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1... / CC BY SA 3.0

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京都学派の人々が思想を育んだ哲学の道 京都学派(きょうとがくは、英語: Kyoto School)とは、一般に西田幾多郎と田邊元および彼らに師事した哲学者たちが形成した哲学の学派のことを指すが、京都大学人文科学研究所を中心とした学際的な研究を特色とした一派も、京都学派、あるいは哲学の京都学派と区別するために、新京都学派とも称する。
その他にも様々な学問分野において「京都学派」と呼ばれるグループが存在している。
その詳細な定義は国や研究者によって異なり、未だに世界各国で盛んな研究の対象となっている。
主なメンバーとして、西田幾多郎、田邊元、波多野精一、朝永三十郎、和辻哲郎、三木清、西谷啓治、久松真一、武内義範、土井虎賀壽・下村寅太郎・上田閑照、大橋良介らが挙げられ、また左派としては三木清以外に戸坂潤、中井正一、久野収らが挙げられる。
とりわけ中井は後述する京都学派(人文研)の桑原武夫や、京都学派(近代経済学)の青山秀夫とも懇意であった。
また桑原は父親が京大文学部教授であったこともあって西田とも若い頃から接していたという。
京都学派は西洋哲学と東洋思想の融合を目指した『善の研究』などで表される西田哲学の立場に立ち、東洋でありながら西洋化した日本で、ただ西洋哲学を受け入れるだけではなくそれといかに内面で折り合うことができるかを模索した。
しかしながら東洋の再評価の立場や独自のアイデンティティを模索することは次第に「西洋は行き詰まり東洋こそが中心たるべき」との大東亜思想に近づくことになった。
特に京都学派四天王(西谷啓治・高坂正顕・高山岩男・鈴木成高)らは、「世界史の哲学」や「近代の超克」を提唱し、海軍に接近した。
このため太平洋戦争の敗戦により、戦前の京都学派はいったん没落した。
だが戦後も高坂、高山らは自民党などの保守政治に接近し、京都学派と政治とのかかわりは今日に至るまで脈々と続いている。
なお、陸軍が海軍に較べて圧倒的な力をもっていた時代において、海軍への接近は軍部政権への翼賛というよりは、軍部の方針を是正しようとする体制批判の行動であったと、大橋良介は評している。
また、大島康正メモによると、この海軍のブレーントラストとしての京都学派の集まりに、京都学派(東洋史学)の宮崎市定も常連として参加していたと大橋は指摘する。
なお、大橋の著書では梯明秀の分類に依拠しながら、京都学派と京都哲学とを分けて捉えることを提案する。
要するに、「何らかのかたちで<無>の思想を継承・展開した思想家のネットワーク」を京都学派と捉え、西田や田辺に学び、単に彼らの知的ネットワークの下にいるものを京都哲学に分類する。
その場合、三木は微妙な立ち位置になるとされるが、多くの左派の弟子たちは京都学派に含まれない。
また弟子として西田の著作の編集や解説を書きつつ、自分自身の研究は歴史的な方向へと向かった下村寅太郎もたぶん含まれないであろう。
また京都大学とは縁はないので一般に京都学派に含めないし、大橋も言及していないが、鈴木大拙は西田の親友で、「<無>の思想を継承・展開」するという点でも相互に影響を与え合っているし、京都の大学(大谷大学)に務めてはいるので、大橋の定義に従えば鈴木も京都学派ということにもなる。
他方、中村雄二郎は『共通感覚論』 (1979) において、三木や戸坂や中井(それに京大卒ではないが戸坂と親しい三枝博音の名が挙げられる)の共通感覚への言及を追っていくと、西田哲学の「場所の論理」の批判的乗り越えが可能となると示唆する。
その点からも京都学派(哲学)を狭く捉えすぎない方が、生産的であるとも考えられる。
京都学派四天王は戦時中の自分たちの言動について一切総括や弁護の類いをしなかった。
1965年に、粕谷一希が高山に対し「私の戦争責任」を論じるよう懇願したこともあったが、高山はそれを断った。
下村寅太郎は4人の沈黙に関して「京都学派の人々が自己弁護をしなかったのは、批評を甘受したのでなく無視したという方が正確である。批判は「勝てば官軍」の立場であって、自力によるものでもなく、思想そのものの実力によるものではない」と述べている。
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