Siemens E311 40m Band Scan, AM時代の受信機でもSSBが綺麗に聴こえ、音も風貌もエレガントな名機 100kHz毎にVFOロック

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約2か月かけて徹底的にフルレストアしたドイツ製シーメンスのE311で、7MHzをバンドスキャンしてみました。E311は1959年に登場しましたが、これはE311 d8ですので比較的後期のモデルです。

当時はAM/CWが主流でSSBを考慮した設計ではありませんが、意外にも綺麗に受信出来ます。全帯域LCフィルターで構成され、CWも非常にクリーンでピュアな音だと思います。以前アップした動画の概要欄もご参考ください。

電源ON時に点滅したスピーカー右のランプは、メインダイアル(左側)を100kHz毎の位置に合わせた時にロックされ点滅が止まります。kHzオーダーはメカ的CALができませんが、30分程経過すると周波数安定度は抜群で、調整した目盛りにピッタリと合うため問題はありません。動画ではメモリと若干ずれていますが、スイッチオンして間もない状態だからです。周波数が安定して、kHzメモリが調整した数値にピッタリと合うまでには、30分から1時間は掛かります。オン直後は数百Hzのズレから収束に向かいます。

スピーカー下部のランプはサーモスタットと記載されています(パネルはドイツ語表記)。水晶のオーブンをセンサーとリレーで一定温度になるようオンオフしますが、その状態を表示しています。気候が暑い時期ですと頻繁にON/OFFを繰り返しましたが、涼しい環境下では非点灯(オーブンOFF)になるまでの時間が長くなるようです。

R725(R390A/R390のハイブリッド)のPTO用オーブンは、背面パネルにON/OFF切替SWが有り、安定度を取るか、低消費のためにヒーターをオフするかの選択になりますが、E311はオートなので素晴らしいですね。

メーター近くのランプ(右側)は、1kHzロック用のランプですが、それはオプション設定ですので、点灯しません。これまで見てきたE311は殆どが100kHzロックで、1kHzロックのモデルは非常に珍しいでしょう。

しかしE312というモデルだけはオプションではなく1kHz搭載機です。詳しくはありませんが、E311がA、B、、、とバージョンUPする途中、一度だけ型名を変えて短い期間発売されたようです。E312はeBayドイツで見つかりましたが、買いそびれてしまいました。

『Radiomuseum』のwebsiteによると、6つのバージョン a、b、c、d、E、Fがあり、a、b、cは100 kHz、バージョンd以降は1 kHzのオプションも利用可能になりました。最終バージョンFのみがSSB用のより狭い2.6kHzメカニカルフィルター搭載です(本機のSSB帯域は3.5kHz、AM/CWでは0.3/1.0/3.0/6.0kHz)。
E311 a 1960、E311 b 1962、E311 d 1964、E311 E 1967/68の年代のようです。

Source:Radiomuseum  →https://www.radiomuseum.org/forum/sie...

マニュアル原典はドイツ語であり回路を十分理解した上での説明はできませんが、クリスタル・スペクトラム・ユニットに関する部分を抜粋・翻訳しますと、
  ↓↓↓
『可変インダクタンス・ユニットのAFC電圧は、パルス・ミキサー・ステージで個々の水晶高調波から得られる100kHzの位相と、発振周波数と隣接する水晶高調波から得られる位相とを比較することにより保持範囲内で得られます。周波数掃引回路は周波数偏差が大きい場合、発振器をロックする状態に引き込むために機能します。』

海外のYoutube動画や上記記事を見るとRecapはMUSTのようで、調整しただけでは感度不足や音色に落胆すると思います。←本機はヤフオクから「調整済みで球も交換したレストア機」という個体を入手したものですが、感度は低く、音の歪みがひどく、電源以外はRecapされず手付かずの状態、リレーやクリスタル部接触不良により動作不安定な個体でした。

R390A/390/725はCW狭帯域ではクリスタルフィルターですが、本機は全てLCフィルターで構成されており、トリプルコンバージョンで、フィルターのある3rd IFは30kHzです。

IF帯域はAM、CWモードでは0.3、1.0、3.0、6kHzで、左側のロータリースイッチで選択します。しかしSSBモードでは、SSB専用の別の3.5KHzフィルターに切替わり固定されるためロータリーSWで帯域変更は出来ない仕様です。

Recapでは主にVishayを使用し、真空管17本は全てNOSと入れ替えています。全球Siemensにしたかったものの、国内でSiemensのNOSはドン引きするほど高価です(オーディオマニアに人気のある球のようで、オーディオアンプ部はE88CC)。仕方なく一部だけSiemens球、他はテレフンケンやフィリップス、特性的に問題ない部分は構造共通でEC名併記の松下です。RCA信者ですが、今回はそういうわけです。

当初Recapをどうするか悩みました。と言うのは使用されていたコンデンサは全てSiemens製です。形状や音に拘るオーディオマニアには人気がありそうで、オリジナル重視にするか、交換すべきか考えてしまいました。

この動画の冒頭部分で、外したオリジナルのコンデンサが見れます。IF以外は極力交換し、スペクトラムと検波以後のオーディオ段周りはほぼ全部交換しました。
→   • フルレストア後のSiemens E311 でSSB局を聴く  

しかし、AF部のコンデンサを一部交換してみたところ、歪みが改善されましたので、交換しづらい構造ですが全交換をやっと決意しました。

かっこいい形状のSiemens製Capsに匹敵し、現在入手容易なものとして、ロシア製のメタルペーパーオイルコンも考えましたが、調べると当たり外れがあるようですね。部品交換が厄介なので、載せ替え試行錯誤は避けたいところです。US製の選択肢もありますが、敢えて欧州系にしたい気持ちもあります。eBayでは見た目かっこいいものもありましたが、C国製のためパス。

最終的にはVishayのメタライズド・ポリエステルフィルム・コンデンサにしましたが、ドイツ製ではなくてポルトガル生産です(一応欧州と言うことで)。
ヤフオクから引用しますと、

『Vishay/Roederstein のメタライズド・ポリエステルフィルム・コンデンサ。旧EROから知られた型番ですが、1993年にVishay(ビシェイ)グループの傘下。Roederstein(ローダシュタイン/ERO)は1925年4月にベルリンで設立された、ドイツの老舗コンデンサ・メーカーで、このMKTシリーズやMKP(メタライズド・ポリプロピレン・フィルムコンデンサ)が主力製品です。』

入手時は絶望的な音と感度で、メンテがやりにくい基板に当惑し、部品の選定入手にも日数が掛かってしまいました。しかしレストアにより、当時の性能音質に近くなったのではないでしょうか。

Recapではより低音が出るように、カップリング容量を少し変えることもありますが、本機は完全オリジナル定数です。実はいくつか定数を振ってみたのですが、結局オリジナル回路通りの定数にしました。

重量は25kgでR390Aのように重くはなく、各モジュールは取り外しが簡単で、モジュール間を結合する配線ケーブルは美しく良質です。

75Aと並べてみると、塗装やデザインに威厳がある風貌のコリンズに対して、エレガントな外観の美しさを感じますし、音色もドスの効いた音系ではなく爽やか系で澄み切った空のようです。塗装面は肌がスベスベツヤツヤ、キャビネットにはシュアラスターを塗ったので、物を置くと滑ります。

ロータリースイッチの接点は金メッキ、接触面には樹脂カバーがついており、コリンズ75Aシリーズで発生する接触不良や接点の収まり悪さが全くなく、カチッと切り替わります。ドイツ車のドアを閉める時のあの感触です。

大変満足している受信機ですが、個人的に望むことや難点としては、
・モジュール内部の基板との配線は多数の端子にハンダ付けされメンテ性が最悪
・IFモジュール内のLCフィルターは動作中の調整は無理
・BFOが固定なので、可変にして欲しい
・リレーが14個も使用され、特にLCフィルター部分は多数の接点を経由で接点不良のリスクが高い
・周波数安定度は非常に高いが、メカニカルダイアルはCAL校正ができない
 (100kHz部の指針は動かせる)
・AGCは検波段以降の信号をフィードバックしており、動作の振舞いには若干違和感
・全球新品Siemensにしたいが、オーディオマニアに人気で極めて高価
・LF、BC帯は受信できない。専用外部アダプターがあるが非常にレアーで入手困難
・最大帯域幅は6kHz。AMを高音質で聴けるようもっと広帯域が欲しい(R725は16kHz)

私にとっては長年探して入手できた思い入れのある受信機です。51S1、75S、75A2、75A4、R725、R4A、HQ129X、BC348等も素晴らしい受信機でしたが、私の"真空管"受信機の『青い鳥』探しもE311で漸くオシマイと思うに至りました(決して他機より受信性能や音が良いという意味ではありません)。入手後のメンテナンスも必須であり、若干覚悟の必要な受信機かもしれません。

世の中にはもっと素晴らしい真空管受信機が沢山ありますが、上品な佇まい、病み付きになる音(特にCW)、静かで透明感のある音色など、他の受信機では体験出来ない感覚に魅了されると思います。

その他参考動画
   • Siemens E311, 短波放送受信 41/31/25/49 m, 1...  
   • フルレストア後のSiemens E311 でSSB局を聴く  
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