ルイ１６世が案じ続けたある男の消息と思い残した現世の夢・・・

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Eugenie de Montijo France Marie Antoinette
Departure to the future1770 beautiful royal dress

ルイ１６世は地理と海洋科学が大好きだった。
だが、ルイ１６世は、ヴェルサイユから出て、旅らしきものをしたのは、１７８６年にシェルブールへフランス海軍再建のプロジェクトのために視察に行った時と、
１７９１年の６月にヴァレンヌ逃亡事件と呼ばれる国王一家がパリから逃亡しようという試みをしたときだけで、地図や地球儀をヴェルサイユの部屋の中で眺める、いわば、『不動の航海者』だった。
だから、ルイ１６世は、世界各地の探検を支援したいと常に考えていた。
そして、当時はイギリスのキャプテン・クック（ジェームス・クック）が探検を行った直後で、フランスはあらゆる面でイギリスと張り合っていたため、ルイ１６世は、探検についてのある計画を練り始めた。
ルイ１６世の考えは、イギリスがクック船長に南太平洋探検をやらせたなら、 こっち（フランス）は、北太平洋を調査しようというわけだった。
ルイ１６世は、遠征計画から乗組員の人選に至るまで、細部にわたって全てを一人で決定した。
指揮官に選ばれたのは海軍軍人のラ・ペルーズだった。
国王が練った計画は、大変に・・・というより過度に野心的だったので、海の大ベテランであるラ・ペルーズは、この大遠征の実現性に疑問を抱き、計画を見直すべきだと国王に進言した。
国王が練った計画は、太平洋を様々な航路で横断し、行く先々で、土地の人間と接触し、交易地点の礎を築き、出会った民族の文明を友好的に研究することが使命だった。
だが、英国のキャプテン・クックが三度の航海で見て回った海域を、一度の航海で探査せねばならなかった。
計画実行のため、ラ・ペルーズを選んだのは、国王陛下である以上、ラ・ペルーズがそれを辞退する選択肢はなかった。


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