各地で災害級の暑さに…「命より大切なものはない」 熱中症と闘う高校サッカー部 “アイスバス”で酷暑に挑む【news23】|TBS NEWS DIG

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関東から九州で猛烈な暑さに見舞われた29日。栃木県佐野市では今年、全国で最も高い41.0℃を観測。40℃を超えた地点は全国で6か所にのぼりました。災害級の暑さで懸念されるのが熱中症です。命を守るための新たな備えを取材しました。

■夏の部活動 応急処置に“アイスバス”=即席の氷風呂

熱中症と日々闘っているのは、部活動の現場です。

2023年、千葉県の高校総体でベスト8に進んだ東海大付属浦安高校サッカー部。

練習は、気温が高くなる時間を避けた上で、短時間にしたり、水分補給の時間を20分に1回程度作ったりして、熱中症対策に力を入れています。

ただ、屋内のトレーニングルームでは…

記者
「手元の温度計では、室内の温度は34.7℃、 湿度は60.1%でかなり蒸し暑いです」

冷房がなく、筋トレをする部員からは滝のような汗が出ます。

部員
「今日結構仕上がってます。本当暑い。まじ暑い」

記録的な暑さが続く今年の夏、学校も新たな対策に乗り出しました。

熱中症の応急処置用に購入したのは、「アイスバス」=即席の氷風呂です。

使用感を試してもらいました。

部員
「相当冷えてますね。全身浸かってます」

使い方は簡単です。バッグの中に畳まれた本体を広げ、その中に氷水を溜めるだけ。値段は5万円です。

救急車が到着するまでの間に、全身を速やかに冷やすことが重要だと顧問の中島さんは話します。

東海大学付属浦安高校 サッカー部 中島太陽 部長
「この例のない猛暑ということで、お金はかかるんですけど命より大切なものはないということで、購入の決断をしたというところ。我々だけじゃなくて保護者、 そして一番安心感が出るのは選手じゃないかなと思う」

■“災害級の暑さ”が当たり前になる時代か

小川彩佳キャスター:
命の危険と隣り合わせの暑さが続いていますが、気候変動の影響というものを実感するようにも思います。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
そういう意味では、ただ「暑い」や水浴びなどをニュースにしている場合ではなく、その背景にある気候変動の問題をしっかり伝えていく必要があると思います。

そもそも、豪雨や熱波などのリスクが上がっていて、異常気象とされるような事態がむしろ当たり前になっていくし、長いスパンで見れば「今年、災害級に暑いよね」と言っていたが、「一番寒い・涼しい夏だった」というのが事実になると思います。

そう考えると、冬の五輪もできなくなるだろうし、夏の甲子園はもってのほかになると思います。やはり別のあり方・生き方など、ライフスタイルそのものを見直していく転機に差しかかっているのではないでしょうか。

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