「アメリカンドリームの体現者」から一転 “経歴詐称”疑惑の米共和党サントス議員を訴追【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

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その輝かしい経歴から「アメリカンドリームの体現者」として注目されていた米共和党のジョージ・サントス議員ですが、“経歴詐称”疑惑が明らかになり、司法当局から訴追されました。更には犯罪に手を染めていた恐れまで出てきました。最新情報をまとめます。

「ゴールドマン・サックス勤務」「MBA取得」…“すべてウソ”

井上貴博キャスター:
共和党のジョージ・サントス下院議員(34)です。22年11月の中間選挙でニューヨーク州から出馬し、初当選を果たしました。大変輝かしい経歴があり、「アメリカンドリームの体現者」ということで注目されていました。

ところが、9日、司法当局が訴追し、10日にはニューヨークの連邦地裁に出廷へというところで風向きが変わってきました。

米メディアによるとその経歴は、名門ニューヨーク大学など二つの大学に通っていました。

また、MBAも取得しています。母親がアメリカの同時多発テロに遭うも生存。金融大手シティグループ、ゴールドマン・サックスにも勤務経験がある。そして動物愛護団体を設立し、犬や猫を保護しているこれら「全てウソ」だったことが後にわかりました。

そして、これがなぜ発覚したのか。各メディアがこれだけ経歴輝かしいので様々取材をしようというところが起点だったようです。

ニューヨーク・タイムズは、この経歴についてどんな苦労を経て成功したのか関心を持ち取材を進めたところ、あれよあれよと嘘が暴かれていくということになりました。

記録は確認できません。活動実績がありません。この団体を設立したという団体を調べても団体自体が存在しない。職歴の日付もない。疑惑がどんどん深まっていくという形になったわけです。

履歴書を飾り立てて捏造してしまった

本人はどう話しているんでしょうか。サントス下院議員は「履歴書を飾り立てて捏造してしまった。私は犯罪者ではない。今後は(インフレ抑制など)公約を実行するつもりだ」として、ウソは認めた一方で、議員を続けていこうとしているわけです。

これも一つの推測ではありますが、アメリカ政治に詳しい早稲田大学の中林教授に話を伺いますと、なぜこういったことをしてしまったのか。

早稲田大学 中林美恵子教授:
「共和党の支持者は、アメリカンドリームを成し遂げた人を好む傾向にある。彼はそれを狙って票が取れる要素を盛り込んだのではないか」

「クレジットカード偽造」や「投資詐欺に関与」など犯罪の疑惑も

井上キャスター:
ここまでだと経歴の詐称、嘘をついていたということにとどまるわけですが、米メディアによると他にも▼選挙資金を不正に使用した疑い▼クレジットカードを偽造した疑い▼病気の犬を助けると称して集めた募金を持ち逃げした▼投資詐欺に関与か、こういった疑惑で少し風向きが変わってきました。

つまり、嘘をついていただけではなくて、犯罪に手を染めていた恐れがあるということです。

では議員ですので、所属政党を含めてどう考えているのか、共和党の対応です。

共和党は「有罪が確定するまで無罪とみなす」 政治的な思惑も

共和党 マッカーシー下院議長:
「米国では有罪が確定するまでは無実とみなす」

井上キャスター:
このように述べ、サントス議員への判断を保留しています。推定無罪という立場をとっているわけです。

早稲田大学の中林教授曰く、「民主党との議席が僅差の中、1票でも票を持つ議員を確保したいという思惑があるのでは」ないかということです。

特にニューヨーク州というのは均衡しているというところがありますので、これで議員を辞められて補欠選挙になるとこの1議席が民主党に奪われるだろうという政治的な配慮から、今は共和党としては動きたくても動けないのではないかという分析なわけですね。


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