「COP15」大詰め 「生物多様性の保全」に向け2030年までの目標採択へ…「30by30」とは 絶滅危惧種「ゼニタナゴ」の野生復帰目指す民間の取り組みも|TBS NEWS DIG

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急速に失われつつある「生物の多様性」の保全について話し合う国連の会議が、大詰めを迎えています。日本でも様々な取り組みが行われる中、実効性のある目標に各国が合意できるかが焦点です。

カナダ第2の都市・モントリオール。10日、デモ参加者が訴えたのは「地球の生態系の回復」に向けた具体的な行動です。過去50年間で、およそ70%減少したとの調査もある「生物多様性」。気候変動と相互に影響する国際的な危機だと指摘されます。

その対策を話し合う国連の会議「COP15」は19日、最終日を迎えます。「2030年までの目標」の採択に向け、詰めの交渉が続いていますが、この柱の一つが、世界の陸と海の30%以上で健全な生態系を保全することを目指す「30by30」と呼ばれる目標です。

多様性の回復に向けて、日本でも様々な取り組みが。こちらは、外来種の影響などで絶滅の危機に瀕している淡水魚「ゼニタナゴ」。大手電機メーカーのNECが、千葉県の事業場で野生復帰させる試みを行っています。地元の市民団体と協力し、人工池で生育させ、去年から敷地内の天然の池に一部を放流しています。

NECサステナビリティ推進部 石本さや香さん
「生物を保全する。それが生態系の維持を守る、私たち人間の生活を守ることにつながっていると考えています」

環境省は「30by30」の目標達成に向け、保護地域以外で、生態系などの保全に貢献する場所を登録していく計画で、この池は候補地のひとつとなっています。

候補とされる場所は、東京中心部のこの公園にも。

新宿御苑管理事務所 竹ノ内玲子さん
「人と自然のちょうどバッファーゾーン(緩衝地帯)になるような役割を果たす。そこを再現する」

新宿御苑の一角にあるこちらの森は、豊かな生態系がある日本の「里山」を再現したもの。750種以上の生物が生息・生育しているといいます。

新宿御苑管理事務所 竹ノ内玲子さん
「大都会の中でいかに自然を残していくか、ふれあいの場を設けるか、その豊かな心を育てていくか」

別の施設内では、絶滅が危惧される植物の「種子」を守る取り組みも。ひとつひとつ殻を取りのぞき、その後、冷凍庫で保管します。新宿御苑は、保存事業の拠点となっていて、ここに、およそ600種の絶滅危惧植物の種子が保存されています。

新宿御苑管理事務所 飛島雄史統括調整官
「生育地で何かあった場合にもリスクを分散させることができます」

大詰めの交渉が続く「COP15」。準備会合から現地入りし、関連の会議に参加する日本の若者は。

一般社団法人 Change Our Next Decade(Cond) 矢動丸琴子代表理事
「若者の立場からすると、目標を決めることも大事だけど、その決めた目標を実際に実行していくこと。実行した上で、生物多様性保全に貢献していくことが一番大事なところ」

生物多様性は、気候変動とともに1人1人の生活に直結する大きな問題として取り組んで行くことが重要だと訴えています。

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