昔話【十二支のはじまり】動く絵本

昔話、十二支のはじまりのオリジナル動画です。
絵本読み聞かせ

〈全文〉
むかしむかし、ある年のくれのこと。
神様が動物たちをあつめていいました。
「一月一日の朝、わたしのごてんに、あいさつに来なさい。
先にきた者から十二番目までを、１年づつ順番に、その年の王さまとしよう」

さあ、動物たちは自分こそ一番だと、おおはりきりです。
ところがネコは、ねぼけていたのでしょうか。
ごてんへ行く日がわからなくなりました。

「ちょいとそこのねずみさん、神様のところに あいさつに行くのはいつだっけ？」
「ああ、それはね、一月一日の次の日の朝だよ」
ネズミはわざと一日遅らせてうそを教えたのでした。

さて、当日のことです。
まずはウシが「わしは足がおそいからそろそろ出かけよう」と
まだ暗いうちに家を出ました。
その様子をみていたネズミさん。

こりゃいいと、ウシの背中にちょこんと乗りました。
ウシはすこしも気がつかず、そのままのっしり　のっしりと　歩いていきます。

そうして神様のごてんにつくとウシは門の前で待ちました。
朝日がのぼると門が開きました。

その時、ネズミはウシからとびおりて、一番に神様のところにつきました。
そうして、ウシは二番になりました。

いちばんドリが鳴いて、すぐに出発したのはトラでした。
けれどまえの晩に出発したウシやネズミにはかないません。
つづいて来たのは　足のはやいウサギ
ウシに負けたと知ってくやしがしました。

のんびりと草むらをゆくのはへびさん。
ゆーらりゆーらりお空をとんで行くタツが、ヘビに言いました。
「おーい、ヘビさん、おなじウロコなかまじゃ、つかまっておいでー」

みちくさをくっていたウマとヒツジは、タツを見てようやく
用事をおもいだしたようです。


空を飛びながら、タツが５番、ヘビが６番に
ぱっかぱっかとウマが７番、ヒツジが８番につきました。

道の途中でサルとイヌがけんかをしています。
「ウキキ！くやしかったら　のぼってみろ」
「おりてきたら　おしりにかみついてやるワン！」
そこへ歩いてきたニワトリが止めにはいりました。
「正月早々、けんかなんかするな。ごてんにいくんだから、なかよく行こうよ」

イヌとサルをならべると、すぐにけんかをするので
イヌとサルのあいだにニワトリがはいり
サルが９番　ニワトリが１０番　イヌが１１番となりました。

イノシシも早いのなんの
ところがイノシシはビリでした。
うっかり、ごてんをいきすぎてしまったのでした。
すこし遅れてごてんにとびこみ、１２番となりました。

ごてんの中にいた神様はいいました。
「おお　あつまったか。ごくろう　ごくろう。ではことしの王さまはネズミじゃな」
こうして、王さまになる順番は
〚ネズミ、ウシ、トラ、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、ニワトリ、イヌ、イノシシ〛
に決まりました。

次の日の朝、ネコはネズミに教えられた通り、ごてんへ行きました。
すると神様は「おやおや、これはずいぶん遅かったじゃないか。
残念だけれど、昨日で１２番目までの動物はきまってしまったよ」と、
やさしくネコをなぐさめていいました。

「ネズミめ！よくもだましたにゃあ！」
それからというもの、ネコはネズミを見ると追いかけるようになったそうです。



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音楽はフリーBGM、DOVA-SYNDROMEというサイトの
作曲者shimtoneさんの「なだらかロード」という曲を使わせていただきました。
ありがとうございます。
https://dova-s.jp/