中村稔 両肩の引きを維持しながら腕を伸ばし切る Pitching Mechanics Slow Motion

Описание к видео 中村稔 両肩の引きを維持しながら腕を伸ばし切る Pitching Mechanics Slow Motion

中村稔 両肩の引きを維持しながら腕を伸ばし切る Pitching Mechanics Slow Motion
'60年代(巨人) 72勝 '65年20勝 投手コーチでも手腕を発揮
速度を変えて4回繰り返し



フォームの特徴:


概要;
・速く踏み込んでから、大きく肩を回すフォームであり、全体的に投球モーションが速い傾向が
 見られる。
・大きな縦回転から、腕を縦に振り回すのが基本ではあるが、中には、完全に近いサイドで腕を
 回すフォームも見られる。(右下映像参照)

体を傾ける始動;
・前足の太腿は、地面と水平よりもやや高い位置までしか上がっていないが、前足を上げるのと
 同時に、腰を前へ突き出し、上体を後方へ傾けている。
・上体が多少前屈みになりながら後方へ傾くことで、膝を曲げて上昇する前足は、通常と比べて
 打者側に位置することになり、上体の左側に前足が付着する形を取っている。

打者側に前足を上げる形;
・前足を上げるのに呼応して、胸の付近に置いていた両腕を下げていくことで、上体の左(打者)
 側に位置する前足の膝を、グローブ側の腕で取り囲んで押さえ付けている。
・前足自体はそれ程高く上げていないものの、脇が締まっているグローブ腕が、隙間無く前足を
 包む様に抱え、通常よりも明確に上体の左側に前足が位置するため、前足の太腿を上体に押し
 付けることが容易になり、コンパクトに前足と両腕を畳む形が作られている。
・真っ直ぐ前足を上げるのでは無く、その足首、脛を後方へ向けることで、後ろ足と近い位置に
 保ち、前足が腰の付近で小さく折り畳まれることから、前足の上げ幅が小さくても、体には多少
 の力をしっかり溜めることが可能となっている。

体が横を向く形での踏み込み;
・早くから、上体を後方へ傾けて腰を前に出し、体の左側の腹に前足の太腿を密着させることが、
 横を向いたままで、間を置かない素早い踏み込みに繋げ易くなっている。
・上体が3塁方向となる横向きのまま、体の横に付け、折り畳んでいた前足を伸ばしていくことで、
 両手両足で「大」の字を作りながら、側転に近い大きな回転で、体が回り、大きく腕を振り回す
 のが特徴となっている。

前足の降ろし~踏み込み;
・やや前屈みで、腹にくっ付けている前足の膝、太腿をグローブ腕で押さえ付け、次に、前足が前へ
 離れていく際も、なるべくグローブ腕と前足を近づけておくことで、体の開きを抑えて、横を
 向いたままの踏み込みを行っている。
・完全に高い位置まで上げず、膝を曲げて束ねる形で、体の横に付けていた前足を、膝を伸ばし
 ながら、降ろしているが、前足の向きと、体の進行方向とが一致するため、そのまま前へ踏み込む
 動作に直結する結果となっている。
・膝を伸ばして勢い良く蹴り出しながら、前足を前方斜め下へ降ろすことで、力強く前へ踏み出して
 いる。

「大」の字の形;
・腰を前へ向けて、上体が後方へ傾きながら、前足の膝を伸ばし切ることで、前足を突き立てる
 様に前方斜め下へ進めていき、このタイミングで両腕を体から離して、空中で水平に広げ始めて
 いる。
・前足と後ろ足、両足とも、目一杯に伸ばすことで、前足を上げた後、殆ど間を置かないまま、一気
 に素早く、大きな幅で踏み込むことになり、やがて両肩が上がり、両腕が伸びた形で、地面と水平
 に広がると、両手、両足と上体とで「大」の字が形作られている。

両足を使う踏み込み;
・前足が前方斜め下へ伸び切り、後ろ足が大きく傾いて腰を押し出すことで、股関節が大きく広がる
 ため、後ろ足を捻るのが容易になり、次の前足の着地後からの回転運動へ繋げ易くなっている。
・グローブ腕を斜め下へ向けて、前足の向きと揃えることで、体から力を逃げ難くしながら、前足の
 先が地面に届く付近からは、前足と共に、後ろ足にも捻りを加えて、腰を前へ押し出している。
・前足の着地直前では、両肩が最大の高さまで上がり、捻りの入った両腕が横にいっぱいに広がり、
 両腕を結ぶラインが直線状になっているが、上体が後方に傾いている分、グローブ腕が投げる側の
 腕より高くなり、両腕のラインは、斜めの傾きを取っている。

腕の変形、担ぎ上げ;
・投げる腕は、初期だけ体に付けて真下に置いていたが、通常と比べて早くから体から離して、後方
 へ真っ直ぐ完全に引いた後、体が前進する際、グローブ腕と同調して、肩の高さまで引き上げて
 いる。
・全体的に、後ろも前も大きく腕を振り回すスタイルであり、後方で腕を全開に伸ばして回すため
 には、予め早い段階から、腕を離して、引いておく必要があると思われる。
・腕を後方へ伸ばし切ってから、担ぎ上げる昔のスタイルではあるものの、腕には常に捻りが加わり
 肘を上に向けながら担ぎ上げに入ることから、現代に多いスクラッチ型と昔のスタイルの中間型に
 位置して、黒田に相当する腕の使い方と思われる。

前足の着地;
・股関節が広がり、両肩、両腕も大きく広がった体勢から、後ろ足の膝が地面側を向くまでの捻りを
 加えることで、加速が付きながら前足の着地に入っている。
・前足の膝を捻ることで、膝が曲がりながら力強く着地に至ると、頭の付近で捻りを入れて伸ばして
 いたグローブ腕を、曲線形に変えて、畳みながら強く引くことで、次の回転運動を誘導している。
・両腕を大きく広げてから、大きく腕を回すスタイルのため、両足を大きく広げた踏み込みの後から、
 直ぐに大きな回転動作が始まることになり、結果として、前足の膝が直角まで曲がるまでの重心
 移動をしないで、ある程度の膝の曲がりのままで、上体の回転が進行している。

両肩の位置関係;
・中村の基本フォームは、大きく縦に回転して、大きく腕を回すことと推定され、それには、序盤
 から上体を傾けながら、腕を地面と水平に広げた時に、投げる側より、グローブ側の腕の方が、
 高い位置関係にある方が、縦回転を作り出し易いと思われる。
・前足の着地に合わせて、グローブ腕を、瞬時に畳み、回転方向である背中側へ強く引き、さらに
 強く下げることで、回転運動を強めつつ、縦回転を誘導して、もう一方の投げる側の肩を高い
 位置へ自然に上げる役割を担っているが、両肩、両腕とも早い段階から高い位置に留めているため、
 通常の両肩の回し方では、両肩の大きな上下動は作り出し難い傾向にあると思われる。

内側からの肩の回し;
・一方、中村の場合は、両腕を水平に広げた序盤から、両腕に捻りを加えておき、前足の着地と共に、
 高い位置にある両肩を背中側へ一気に引き、この様な肩を引く体勢を、長く維持しながら上体が
 縦回転するため、通常よりも、両肩が体の内側から回る結果を導いている。
・グローブ側の肩だけでなく、投げる肩も初期から高く引き上げていることで、上体を大きく縦回転
 させるのは困難に見えながらも、肩を強く引く形を保つことは、肩を体の中心寄りに留めることを
 意味している。
・つまり、多少両肩の上下動が不足しても、両肩の高低差がダイレクトに上体の左右の高低差として
 反映されることになるため、後方からの力強い踏み込みの流れを活かしながら、上体の縦方向への
 大きな回転が生み出されている。

肩の引き上げ~リリース;
・勢いのある踏み込みと、大きな縦の回転運動により、肩がかなり高い位置まで引き上げられて
 いるが、最終的には、上体の縦回転に引っ張られるだけでなく、僅かに自発的に肩を高く上げている
 様に見える。
・両肩を強く引く形を維持して、上体に丸みを持たせながら、重心移動の際に、肩、肘を多少下げて
 前腕を担ぎ上げてから、全体的に、体の内側で腕を滑らかに変形して、最終的なリリースへと進行
 している。
・縦回転を利用して、肩、肘を高く上げた後、肘から先の前腕が真上に伸びてから、リリースに至る
 ことで、腕の振りも縦方向となりながら、高い位置から大きく腕を振り下ろしている。

腕を前へ伸ばし切るフォロースルー;
・序盤に、限界まで後方に引いてから腕を大きく回すだけでなく、リリース直後も、前方へ腕を
 限りなく伸ばし切っていて、ここまで前へ腕を伸ばす投手は、そうはいないのではないか
 と思われる。
・極端に前方まで腕を伸ばすことで、水泳のクロールの様な大きく弧を描くフォロースルーを作り
 ながら、肩が大きく回り、もう一方のグローブ側の肩を回して引き上げることで、フォローの際の
 肩の回しを手助けしている。
・上記の様な、リリース直後の腕の伸ばし切りを活かすことで、この直前のリリース動作において、
 高い位置から縦方向へ、手首と指先を前へ押し込んでから落とす様な、独特な手首の使い方を
 行っている。


サイドスロー;(右下映像参照)
・恐らく、縦回転を用いる完全なオーバーを主体にしながら、時折り、真横からのサイドスローを
 交えていたと推測される。
・踏み込みの際、両腕を高く広げるまでは、同一のフォームで進行しながら、通常の場合の、両肩
 を使い無理に縦方向に回転するのを省略すると、横回転のみのサイド形になると見られる。
・両肩を上げて、両腕とも高く上げた形を長く保っているため、そのまま腕を畳むことで、両肩の
 高さが一定で腕を振るのが容易になり、通常のオーバーから、サイド形にスムーズに移行できた
 と思われる。

投球の推定;
・リリースにおいて、高い位置で、手首と指先を前へ押し込み、そのまま腕を全開に前へ伸ばし切り
 ながら、縦方向に振り下ろすような腕の振りは、球に力を込めると言うよりも、柔らかく指先で
 球を切る様な動作になると思われる。
・中村が、かなり大きく肩を回し、縦方向に腕を振り回していながら、豪速球投手とは位置付け
 られていないのは、先天的な地肩の強さの影響が大きいと見られるが、これに加えて、上記の様な
 リリースにおける独特な手首の使い方を、抜き気味に見えながらも、球が鋭く落下する変化球に
 活用したからではないかと思われる。




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変化球を中心とした投球パターンを完成させたことで、プロ5年目に巨人のエース級に成長
しましたが、競争の激しいチームで力が付くまで我慢してもらえたのは、体を大きく使える
中村の身体能力が認められていたからと思われます。
あまりに大きく肩を回して、腕を前へ伸ばし切るためか、肩の故障に悩まされ、大きな活躍は
2年だけに留まりましたが、人を食ったような大胆不敵な風貌から、相手の狙いの逆を突く、
クレバーな投球を駆使しながら、質の良い球を投げ込んでいたのではないかと想像されます。

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