ヤンバルテナガコガネ

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ヤンバルテナガコガネ, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=3... / CC BY SA 3.0

#Endangered
#絶滅危惧IB類
#コガネムシ
#昆虫類天然記念物
#国内希少野生動植物種
ヤンバルテナガコガネ(山原手長黄金、Cheirotonus jambar)は、昆虫綱甲虫目コガネムシ科に分類される甲虫類。
日本(沖縄島北部)固有種 体長オス4.7 - 6.2センチメートル、メス4.6 - 6センチメートル。
ミトコンドリアDNAの16S rRNAの分子系統解析では、属内では中華人民共和国南部からベトナムに分布するヤンソンテナガコガネCheirotonus jansoniに近縁という解析結果が得られている。
これは、かつて近縁種が広く分布していたものが、地殻変動を始めとする環境の変化や生存競争等により絶滅した結果、大陸と島嶼で近縁種が別々に生き残ったものと考えられており、本種のような分布の特徴を持つ種は遺存種と呼ばれる(日本では鳥取県国府町の中新世の地層からイナバテナガコガネの化石が見つかっている)。
似たような分布の特徴を持つ甲虫の例では、御蔵島に生息しているミクラミヤマクワガタが挙げられる。
学問的に正式な発見、記載がされる以前から、その存在について薄々知られてはいた。
カミキリムシ採集家伊藤敏仁によって1982年4月2日に死骸の上翅と腹部だけが拾われたり、また、生息地にほど近い製材所の従業員が、原生林から運び込まれた大木を切断加工中に度々本種の姿を見出していたりもする。
正式な発見は1983年で、1984年に黒澤良彦によって記載された。
新種記載のタイプ標本として発見された個体は、1983年9月15日に国頭村普久川ダム構内で採集されたものである。
しかし発見した時には既に絶滅の危機が迫っており、1984年2月に沖縄県の天然記念物に、その後1985年5月に国の天然記念物に指定され、採集は全面的に禁止、繁殖プログラムも計画されている。
そもそも発見自体が、森を切り開き山を削って建設されたダムの水銀灯に飛来した個体が植え込みの木の枝に引っかかっており、それが朝の構内見回りをしていた職員の目の前に落ちてきた、というものであった。
おおまかなライフサイクルや生息環境概要、幼虫の生態は天然記念物指定前の水沼哲郎による採集調査で明らかとなった。
また、時をほぼ同じくして、伐倒木のフレーク部からオキナワマルバネクワガタと共に採集されたメス幼虫1頭が正体不明のまま『月刊むし』編集部に持ち込まれ、編集長藤田宏によって飼育、羽化させられている。
当時まだ和名を与えられていなかったこの個体は「沖縄のテナガコガネ」として同誌1984年2月号の表紙を飾った。
なお、飼育した藤田はその頃まだカミキリムシが専門分野であり、それぞれの幼虫が蛹化して容器の壁面に姿を見せるまでは、自分の飼っているオキナワマルバネクワガタをヒラタクワガタ、テナガコガネをただのカブトムシだと思っていたという。
超大型の甲虫であるにも関わらず発見が遅れた原因は、マルバネクワガタ類の生態解明の難航と同様であった。
すなわち、甲虫のシーズンである夏が去り、チョウ採集が昆虫採集の主となる沖縄の秋口に成虫が出現するために甲虫採集家にとって盲点となっていたのである。
ただ、これほど厳しく「保護」されている天然記念物ではあるが、発生、繁殖に必要な生息地の樹木の伐採は必ずしも禁じられていない。
一面丸坊主となり切株だけが所々残された山肌で、棲み処を失ってあてどなく彷徨う成虫の姿が雑誌『インセクタリゥム』1993年9月号(東京動物園協会発行)で報じられた他、先述の『月刊むし』編集長藤田宏も「虫がいなくなって(採集禁止や保護をうたう)立て札だけが残るようでは笑い話にもならない」と指摘している。
本種は希少性と成長が遅い事から密猟や樹木の伐採の影響を受けやすく、さらには繁殖能力の低さに加え、生息地周辺の開発計画もあるため、依然絶滅が危ぶまれている。
絶滅危惧I類。
この昆虫の発見が遅れたのには、ひとつにはその生息環境の特殊さ、それにハブと在日米軍の存在がある。
つまり、その生息域が広く米軍演習地であり、しかもハブの生息地であった。
立ち入り禁止ではないものの、気楽に侵入する気になる場所ではなく、なおかついるかどうかもわからない昆虫を探すために、大木の穴に手を突っ込むような真似は、ハブが怖くてとてもできないという事情があった。
逆に在日米軍基地の外ではまともな生息地域が失われたとも言われる。
密猟防止のための監視も行われているが、林道開発による森林の乾燥など、開発によって生息地ごと影響を受けることが...

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