濹東綺譚本文 朗読 3時間15分

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永井荷風作濹東綺譚の本文全体の朗読です。
 作者贅言は省略しています。 全部で3時間15分になります。

 先日スカイツリーに登ることがありました。
 都心にある東京タワーと違っていわば下町ですから立地に関しては地価が安かったからかな?再開発の余地があったからかな?程度の認識でしたが、頂上まで登って、都心の端に位置するがためにかえって東京タワー以上に東京全体を把握できる点にまず納得したものです。そして関東平野すべてを一望できる眺望の良さにも感動しました。
 さて降りてからどこへ行こうかと考え、携帯のマップを取り出してみて、あれ?ここは隅田川のまさに東、浅草にも近いことに気づきました。ひょっとして永井荷風が描いた濹東玉ノ井のあったのがこの辺ではないだろうか。
 自分は荷風を気取ってまっすぐ東へ歩き、隅田川堰堤沿いを歩いて言問橋を渡り浅草観音の裏手に出ました。考えてみると、東京タワーのお父さん、スカイツリーのおじいさんに該当する浅草12階があったのもこのあたりです。
 荷風が嘆いた時の移ろいは留まるところがありません。自分も東京で青年時代を過ごした者の一人として、明治・大正・戦前の東京・高度成長期という東京の移ろいの一端を隅田川堰堤公園のなかで感じることができました。
 大学を卒業してもう40年になります。お茶の水のホームにこれでもかと散らかっていたタバコの吸い殻、すずらん通りの三省堂のしゃれた店内の前の広場にも吸い殻はたくさん落ちていてあたりまえでした。

「我 青春 の 名残 を 弔う に 今 は 之 を 那辺 に 探る べき か。」の文が頭に浮かび、再度読んでみようと考えたわけです。
 荷風は今でいえば世田谷の六本木ヒルズのあたりの自宅から、スカイツリーのあたりまで電車で通い、孤独を慰めていたわけです。

 定年を迎えて自由な時間ができた今、倣うべきもないことではあっても荷風の孤独を自分のものにしたいと今回濹東奇譚を読んでみました。一気に読み上げたので誤読も気にしていません。大勢のユーチューブユーザーの中に幾人かでも共感していただけるかたがいたならばこんな幸せはないと思い、稚拙を顧みずUPする次第です。

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