【NO.29】Ken Nata "土州勝秀 " in 四万十 . 両刃 手打鍛造品. 土佐打刃物.

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土佐の四万十川のほとりの鍛冶屋さん。この剣鉈も細身で狩猟用と思われる。角鉈も同時に購入したが、やはり細身。総じて西日本は細身の剣鉈が多いように思われる。切れ味はカミソリのように鋭い。口金も異様に細い。口金も柄も鞘も全て鍛冶屋さんの手によるもの。きっちりと鞘に収まり、カタカタと鞘鳴りしない。
またタガネによる銘切りが見事。書で言えば、墨痕淋漓として気魄に満ち、正対すれば粛然として襟を正しむる如し。
この剣鉈は、一見すれば土州勝秀さんの作とわかる独自の形をしている。往古、それぞれのお国に鍛冶屋さんが蝟集していた時代には、もっとそれぞれの在所に独自の形が存在していたのであろうが、それももう大部分が失われてしまった。私が紹介している剣鉈のいくつかは、もう二度と作られる事の無い剣鉈となってしまった。

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