【ハロウ安比】岩手にイギリス名門・全寮制スクール開校へ…狙いは「グローバルな人材育成」

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この夏、岩手県の安比高原に全寮制のインターナショナルスクールが開校します。日本にいながら海外のように学べるとして注目されています。目指すのは、日本の課題とされる「グローバルに活躍できる人材の育成」です。


■“世界を舞台にリーダーシップを”日本の課題に取り組むインターナショナルスクール

まだ雪が残るゴールデンウイーク。楽しそうに遊ぶ子どもたちの声が響く中、突然、英語で質問が始まりました。

「なぜこちら側には雪があるのに、あちら側にはないのでしょう?」

実はこのハイキング、ある学校が開いた体験授業です。

雄大な自然が広がる岩手県八幡平市の安比高原にあるこの学校は、イギリスで450年の歴史がある『ハロウ』が日本で初めてつくるインターナショナルスクール、『ハロウ安比』です。

実はここ数年で相次いで全寮制のインターナショナルスクールが開校し、注目されています。

この『ハロウ安比』は今年8月に開校予定。専門的な知識を持つ先生を海外を中心に40人以上採用し、グローバルな場でリーダーシップを発揮できる子どもたちの育成を掲げています。

教師
「何が見つかるでしょうか? これが誰の持ち物で、持ち主がどういう人なのか、皆で考えましょう」

この日の授業は、荷物の中身から子ども同士が話し合って持ち主を導き出すという課題。生徒同士が自分の意見を出し合うグループワークを、数学や演劇などすべての授業で取り入れています。

ある子どもは、体験授業に来てみて「(英語が)よくわからないところもあったけど、楽しかった」と話していました。

世界を舞台にリーダーシップを発揮できる人材をどう育てるのか、日本の課題のひとつとなっています。


■企業も自社で取り組み「どんな環境でもパフォーマンスを発揮できるということが重要」

その課題に自社で取り組み始めた企業も。就業時間前の午前8時半、会議室に入ると、リモート会議には外国人も参加しています。

第一生命は、今年から「グローバルジョブポスティング」という取り組みを開始。社内のプロジェクトに世界のどの拠点からも参加できるようになりました。

言葉はもちろん、ビジネス習慣や考え方の異なる外国からの参加に戸惑うことも。

第一生命HD・イノベーション推進グループ 細川典慶さん
「英語でディスカッションに参加するのも大変だと思うし、(英語を話せても)自分の意見を言うのは難しい」

世界を意識した取り組みには、ある狙いが。

第一生命HD 石井弓子人事ユニット長
「生まれ育った国や社会というコンフォートゾーン(心地よい環境)を飛び出して、どんな環境でもパフォーマンスを発揮できるということが重要」

人口が減り縮小する国内市場から、世界にも目を向け、ビジネスを拡大するための人材育成に取り組んでいます。


■グローバルな人材の育成に、答えは…

多感な10代を多国籍な生徒や先生に囲まれて過ごす学校生活。授業料や寮費などをあわせると、年間およそ850万円からと高額ですが、体験会に参加した保護者らは、「日本語だけでは日本の中で終わってしまう」「日本人だから、何人だからとか、固執した発想は取っ払えるだろうなと」などと話します。

この学校で育みたい理想とは。

『ハロウ安比』ミック・ファーリー校長
「彼らが責任あるリーダーとして人生を歩んでいくために、卒業生には確固たる価値観とふるまい、信念を身につけてほしい」

グローバルな人材の育成に、ひとつの答えを示せるのでしょうか。(2022年6月11日放送)

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